第2章 真の貴族
第17話 湖畔にて
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る。
成るほど。罠を疑うよりも、餌を得る好機と捉えましたか。
確かに、それなりに知恵が有るのは認めますが、それでも、こんな街道から離れた森の傍に、少年が一人で居る事自体が不思議とは思わないのでしょうかね。
もっとも、少々の罠ならば、その集団の数の暴力で粉砕出来ると言う希望的観測の元の行動かも知れませんが。
俺の背後は湖。尚、この湖の対岸がサヴォワ伯爵領のトノンの街です。
その一瞬後。
オーク鬼の包囲陣形の一角に何故か乱れが生じていた。
そう、約五メートルの距離を一瞬の内にゼロにして、俺がオーク鬼の中心に切り込んだのだ。
棍棒を振りかぶった姿勢のまま首を刎ねられて仕舞うオーク鬼。
そして、返す刀で背後から接近して来た別の個体を斬り伏せる。
刹那、魔法の効果範囲ギリギリの位置に隠れていたタバサの放った氷の矢が、一気に十体近いオーク鬼を凍らせて仕舞う。
元々、彼女の魔法の才は高い。その上、今では以前の彼女が使用していた魔法よりも、効率や威力の上で格段に強化された、魔界や神界、そして、仙界の魔法を使用している。
これでは、あっと言う間に俺以上の使い手と成るのは当たり前ですか。
……って言うか、現状では単なる虐殺以外の何物でもないと思うのですが。
それに、タバサの魔法も、敵集団内に斬り込んでいた俺を誤爆する事なく、的確にオーク鬼のみをロックオンして凍らせています。
この事実から見ても、彼女の元々の魔法の才が、かなり高いと言う事の証明になるのでしょうね。
尚、元々、そう知能の高くないオーク鬼も、この場に現れた人間が普通の自らの餌と成るべくして現れた存在ではない事を気付いたのか、われ先に森の方に逃げ去って行く。
あれから四日。確か、ハルケギニアの暦で説明すると四月、第四週、エオーの曜日と言う日付らしいです。
但し、この国の一週間は八日間有るらしいのですが。
もっとも、紅と蒼のふたつの月が有るような世界ですから、一週間が八日だろうが、九日だろうが、大した差は無いとは思うのですが。
それで、われ先に森の方に逃げて行ったオーク鬼は、そこに待ち伏せて居たジョルジュと俺の式神達にすべて討ち取られて仕舞いました。
……尚、何故か竜殺しのジョルジュくんも、このサヴォワ伯爵領内の危険な魔獣、亜人退治の行脚に同行しているのですが。
タバサのお目付け役としては当然の行動と言えば、そうなのですが。
しかし、これでは、交換条件としての意味が無くはないでしょうかね。
おっと、少し思考がずれて行く。無理矢理、軌道修正っと。
それで、このオーク鬼自体が陰の気の塊のような存在で、真っ当な生命体と言うモノでも
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