第2章 真の貴族
第17話 湖畔にて
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居る事が前提ならタバサも同時に護るが、タバサ一人を護るのは、使い魔としてのオマエの仕事だと言われて仕舞った」
ただ、式神達は、半ば面白がってそう言っているとも思うのですが、タバサを護るのは、使い魔としての俺の仕事の一番重要な部分で有るのは事実ですから。これを他人に任せる訳には行きません。
しかし……。
「少しの欺瞞が見えますね。私は、平静を保って居られるのか、と問い掛けたのです。
何故、同じ部屋で寝食を共にしているのか、と言う理由を問うた訳では有りません」
かなり冷静な判断で答えを返して来るジョルジュ。そして、何故か、探偵と真犯人との会話を彷彿とさせるシーン。
しかし、巧妙にすり替えてやろうかと思ったのですが、流石に簡単に回避はさせて貰えないみたいです。
ならば……。
「ならば聞くが、魔法、剣術、共に重要なモンはなんや?」
そう、逆にジョルジュに対して問い掛ける俺。
但し、質問に対して、質問で返すのは、あまり良い事ではないのですが。
「成るほど。共に、精神をコントロールする術を学ぶ技術ですね。
故に、彼女のような魅力的な少女の傍に居ても精神をコントロールする術を持っていると」
ジョルジュはそう答えた。
成るほどね。何にしても頭の回転の速い人間は助かる、と言う事です。イチイチ細かい説明まで為す必要がないですからね。
「俺は、師匠に激しい感情に乱される事を戒められている。
更に、智を貴び、常に学び続ける事も重要だと教えられている。
そして、剣を振るい、心身を鍛える事を貴び、しかし、粗暴に成る事を戒められている。
この教えを守る事が、俺と師匠の約束やからな。目の前……それも、手を伸ばせば届く位置にどんな相手が現れたトコロで、この教えを破る訳には行かない」
そんな事を行うと、俺と師匠の絆を自らが断って仕舞う事と成りますから。
俺が、俺の故郷に帰るには、この師匠との絆は重要です。まして、この教えに背けば、道を外した事となり、俺自身が邪仙化する可能性も否定出来ません。
少し、会話が途切れる。そして、その空白を、再びの夜の静寂が覆い尽くして仕舞った。
……タバサは完全に意識を夢の世界へと旅立たせているな。
彼女の置かれている状況から考えると、父親が暗殺され、母親の状態が正気では無くなってからは、彼女が深い眠りに就く事は無かったと思う。
但し、今は、深い眠りに就いている。
これは、俺が彼女と契約を交わさせた水の乙女や森の乙女。そして、花神の存在が大きいと思います。
その理由は、タバサの身に危険が迫った事に式神達が気付けば、彼女らと霊的に繋がったタバサに、危険が迫った事を報せる事に成っているはずですから。俺も、
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