第2章 真の貴族
第17話 湖畔にて
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なった可能性も否定出来ないのですが。
「最初から言って有るように、大して意味は有りません。
そもそも、王家の命によって集めていた香木ですから、今回の再生の儀式に使用しなければ、また数百年後にまで眠らせて置くだけ品物です。
まして、タバサ嬢に市場に出回っている香木を、期日までに集める手段は無かったでしょう」
確かに、タバサには無かったのは事実です。それに、市場に香木が出回っている量も、おそらく、フェニックスが再生する為に必要な祭壇を組み上げられる程の量が出回っているとも思えませんから。
「それとも、何か無理難題を申し上げた方が良かったのですか?」
妙に気分のノリが良いのか、あの決闘騒ぎの時と比べるとかなり饒舌となった竜殺し殿が、そう聞き返して来た。
もっとも、あの場には俺以外にも多くの人間が存在していたので、この国……いや、トリステインでの異端扱いと成りかねない発言を、お互いに交わす事が出来なかったと言う理由も有って、言葉が少なかった可能性も有るのですが。
「無理難題と言うのは、香木を市場価格よりも高値で売りつけるとか、宝石や貴金属との交換を要求して来るとか言う話か?」
それ以外の無理難題で、その上、こちらが実行可能な事と言う物がイマイチ思いつかないので、一応、そう聞き返してみる俺。
尚、その理由に関しては、この任務を失敗させて仕舞うと、そのフェニックスや導く者と交わしたと言う古の盟約と言う物にヒビが入って仕舞い、結局のトコロ困るのは、俺やタバサでは無く、ガリア王家やコイツの実家の方と成るはずですから。
「いえ。貴方を私の家来に差し出せ、と言うのが一番面白かったと思いますよ。
高位の韻竜を配下に持てば、私の格も上がりますからね」
……成るほど。確かに無理難題かな。その上、俺の正体についても感づいていやがる。
これは、見鬼の才などでは無く、ちゃんとした見鬼が行えると言う事なのでしょう。
見鬼の才だけでは、単に普通の人に見えないモノが見えると言うだけです。これをちゃんと訓練して、相手の正体を見極める能力が見鬼と言う技術です。
これを身に付けると、人間に擬態した何者かの正体を見極める事も出来るように成ります。
当然、その相手の擬態する能力が、見鬼の能力を上回ったら判らないですし、一度も出有った事もない存在や、知識としても知らない存在ならば判らないのですが。
そして、ヤツは韻竜と言う言葉を口にしました。タバサから聞いた話に因ると、韻竜と言うのは、この世界に於ける俺のような存在を指す言葉らしいです。
但し、既に絶滅したと言われているらしいのですが。
もっとも、ジョルジュが出会った事が無ければ、俺の正体。人に擬態した龍と言う事を見破れる訳はないので、もしかす
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