第36話 紅い光
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ェイトを救ったのだ。
そして、今この瞬間もダンの残したその言葉がフェイトを救ったのだ。
(ダンさん、私はもう迷わない…例え人形だといわれたとしても、私はこの命…フェイト・テスタロッサとして生まれたこの命に誇りを持ちます! だから、だから私に…あの子を、なのはを救う力を貸して!)
フェイトは両手を合わせて強く祈った。彼女を救いたい。その強い願いを叶えるかの様に天空から一筋の光が差し込んだ。その光はフェイトを閉じ込めていた結界に当たる。すると結界の周囲に亀裂が走り出したのだ。
それを見たフェイトは渾身の力を振り絞ってその亀裂を殴った。一回殴り、亀裂が更に大きくなった。
更に二回殴った。その際手の皮が切れて血が噴出す。それでもめげずに三回目を叩き込んだ。
亀裂はやがて全体に行き及び、やがて音を立てて割れた。
「なに!?」
音を聞いたプレシアが振り返った時、其処には結界から晴れて自由になったフェイトの姿があった。
「バルディッシュ!」
両の足で立ち上がりその手に呼び込むかの様に自身のデバイスの名を叫んだ。その翳した手に向かい金色の光が一筋飛び込んできた。それは待機状態のバルディッシュの姿であった。
すぐさまそれを起動し、杖状の姿に変える。
「行くよ、バルディッシュ!」
【ソニックムーブ】
フェイトの体を金色の閃光が包み込み、音速の早さでその場から消えた。金色の光はプレシアを迂回し背後に回る。
ハッとなりプレシアが振り返った時には、本来居た場所になのはは居らず、本来フェイトが居た場所にはなのはを抱き抱えた姿のフェイトが居た。
「フェ……フェイト…ちゃん…」
「御免ね…なのは…今は少し休んでて…」
優しくそう言い聞かせ、なのはをそっと寝かせる。そして、プレシアに対しバルディッシュを向ける。
「何のつもり? まさか私に反抗するつもりなの? 母であるこの私に!」
「例え貴方だとしても、私の大事な友達を傷つけるのなら…私はそれを阻む!」
「人形の癖に…この私に反抗するなんて…もう貴方なんて必要ないわ! この場で壊れてしまいなさい!」
元の杖の姿に戻し、紫色の雷撃をフェイトに向けて放つ。
が、それをフェイトは次々とかわしていく。恐ろしい速さであった。全く雷撃が当たらない。
それにプレシアが徐々に焦りを見せる。
「何故? 何故当たらないの! 人形の癖に! アリシアの代わりの癖にぃぃ!」
「もし、もし私がなのはや皆に出会わなかったら、私はずっと人形のままだった…だけど、皆に出会えたから、私は代われた、そして強くなれた!」
再びフェイトの姿が金色の閃光に包まれる。金色の光はプレシアの周囲を飛び回り雷撃を避けて行く。プレシアがその光を叩き落そうと雷
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