第36話 紅い光
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だ。幼い頃良くあったと思われる。
正にそれであった。
だが、其処でふとプレシアは笑みを浮かべた。
「でも、今回貴方に罰は与えないわ」
「え?」
「だって…代わりにこの子に罰を与えるんですもの」
そう言うとプレシアの持っていた杖が鞭状に姿を変える。
その鞭を撓らせ、ぐったりとしたなのはの体に向かい勢い良く打ち付けた。乾いた音が部屋全体に響く。それと柔らかい物を叩く音も一緒に響いた。
その音と同時に叩かれたなのはの体が大きく仰け反りだす。顔は苦痛に歪み口からは痛みの叫びが響く。
「止めて! 母さん、止めてぇ!」
「駄目よフェイト。これは貴方の罰でもあるのよ。貴方は其処で見てなさい。それが、今回の貴方の罰なのよ!」
そう言い、再び激しく鞭を打ちつけた。鞭が当たる度になのはの体は大きく仰け反りその体には痛々しい鞭の跡が出来上がり、血が滲み出していく。とても痛々しい光景であった。
「止めて母さん! お願い、罰なら私が受ける。だから、その子は離してあげて! なのはは関係ないのぉ!」
「いいえフェイト。この子のせいよ。この子と関わってしまったから貴方は貴重なジュエルシード6個を無駄にしてしまった。それは余りに大きな失態なのよ。そしてその原因がこの小娘にある。だから貴方の代わりにこの小娘を罰しているだけの事よ。そして、貴方はそれを見届ける事しか出来ない。それが貴方に課せられた罰なのよ」
そう言うとぐったりと項垂れたなのはの頬に手を当てる。その手を伝いプレシアが電撃の魔法を放った。体から手に伝わった電撃が、今度はなのはの体全体に伝わっていく。
凄まじい痛みが体全体を電流の如く駆け巡っていった。
「あぐ…うああぁぁぁぁぁぁ!!!」
悲痛の叫びは更に大きな物へと変わった。最初は純白だったBJも、今では黒く焦げた箇所と赤い血で汚れた箇所が多くなりかつての綺麗さは微塵も感じられなくなってしまっていた。
「なのは…もう止めて! これ以上続けたら…なのはが、なのはが死んじゃうよぉ! お願い母さん、もう止めてぇぇ!」
「死ぬ? それは良い事じゃない。死ねば楽になれるのだから。貴方もそうなりたいでしょ? 哀れなお人形さん?」
「うっ!!!」
突如、フェイトの頭の中が真っ白になっていった。自分は人形。それを思い出したのだ。
かつて、ヤプールが見せた過去の映像を見た際に自分の出生を知る事となった。それは余りに過酷で、余りに辛い現実であった。
その現実を思い出したフェイトの心が今正に音を立てて崩れていこうとしている。
【君がどんな生まれ方をしていようと、君は君なんだ!】
「あ…」
そんな時、頭の中を過ぎったのは、一人の青年の言葉であった。ダンの言葉であった。彼の一言がフ
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