第36話 紅い光
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「此処は……私は、一体どうなったんだろう?」
その場から立ち上がろうとする。しかし、その際に体中に激痛が走り再び倒れてしまう。全身に電流が走るかの如く痛みが走る。
気がつけば自分の体はボロボロになっており、所々から赤い血が流れ出ていた。
「痛い…痛い…痛いよ、凄く、痛いよ…」
痛みの余り目から涙が流れてしまう。それでも痛みは消える事などなくなのはを常に痛みで苦しめ続けた。余りの痛さに呼吸が苦しくなる程だった。
何故、自分がこんなに痛みを感じなければならないのか?
その疑問が脳裏を駆け巡った。その理由を突き詰めようと必死に思い出そうとする。しかし、そうしようとする内に次第に自分の脳内が徐々に赤く染まりあがっていくのを感じた。
(赤い…今流れてる血みたいに…赤い…赤い……赤……)
やがて、なのはの脳裏だけでなく、全てが赤く塗りつぶされていく感覚を覚えた。そして、その色が示す感情は……激しい【怒り】であった。
【怒れ…憎め…全てに怒りを向け…全てを憎め…】
(誰? 誰なの!?)
【全てを憎め…全てを破壊しろ…破壊しろ…破壊しろ…】
(嫌だ、そんなの嫌だ!)
【破壊しろ…壊せ…壊せ…壊せ…見える物全てを憎み……全てを………破壊しろ!】
「!!!」
その言葉を最期に、なのはの理性は吹き飛んだ。後に残ったのは、激しい怒りと憎しみの感情のみであった。
***
「うわあああぁぁぁぁぁぁぁ!」
突如、怒声が響いた。驚いた一同が振り返る。其処には先ほどまで意識なく倒れていた筈のなのはが立ち上がり咆哮していたのだ。
それだけじゃない。彼女の周囲を赤い光が覆っている。眩い程の赤い輝きがなのはを包み込んでいたのだ。
「な、なのは…」
「ううぅぅぅぅぅあああああぁぁぁぁぁ!」
フェイトの呼びかけを無視し、なのはは飛び上がった。その先に居たのはヤプールの生み出したミサイル超獣ベロクロンであった。ベロクロンが突如目の前に現れたなのはを見て驚く。
その直後、なのはの両腕がより一層赤く発光しだす。激しい閃光とスパークに包まれた両腕。それを容赦なく超獣に叩き付けた。
凄まじい轟音と共に超獣ベロクロンの頭部は跡形もなく吹き飛んだ。粉々になったベロクロンの頭部の肉片が辺りに散らばっていく。
頭部を失った超獣はその場に倒れ、二度と動かなくなってしまった。
【バ、馬鹿ナ……我等ノ超獣ヲコウモ呆気ナク!】
ヤプールは完全に度肝を抜かれた。超獣を仕留めた後、今度はなのははヤプールに狙いを定めた。より一層激しい咆哮を挙げ、光り輝く拳を振るう。その一撃一撃は驚異的な力であった。
「凄い…あの子、あの超獣やヤプールを倒しちゃうんじゃな
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