第36話 紅い光
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こんな時に厄介な相手であった。怪獣を超える怪獣。そんな厄介な代物をヤプールは作ったと言うようだ。しかも今皆が居る空間はヤプールの作り出した異次元空間の中である。この中では思うように戦う事が出来ない。
そんな皆の苦労など露程も気にせずに超獣は襲ってくる。
【行ケィ! ミサイル超獣ベロクロンヨ! 邪魔者ヲ始末シ、光ヲ手ニ入レルノダ!】
ヤプールの命を受けてベロクロンが雄叫びを挙げる。全身からミサイルの様な弾丸を次々と発射しだしてきた。
「ぐっ、一体この空間は何だ? まるで体に力が入らない…」
「此処はヤプールの作り出した異次元空間。この中じゃ私達は全力を出せないんです」
「マジかよ。それじゃ俺達変身も出来やしねぇじゃねぇか!」
当然この空間の中では仮面ライダーの変身に必要な風も起こらない。これでは二人共変身する事が出来ない。しかも余り長い事この空間内に留まればいずれは力を全て吸い取られてしまい動けなくなってしまう。そうなる前にこの空間から抜け出さねばならない。
「フェイト。どうすればこの空間から出られるんだい?」
「あいつを…ヤプールを倒すしかない…でも、その為にはあの超獣を倒さないと…」
「その相手は俺に任せろ!」
突如声が響いてきた。それと同時にベロクロンに向い殴り掛かる巨人があった。マジンガーZであった。
偶々近くに墜落してきたので戦闘に参加出来たようだ。しかしそのZもドテッ腹に大きな穴が開いており所々亀裂が走っている。かなり危ない状況であった。
その上相手は超獣。勝ち目は恐らくかなり薄い状況でもあった。
(不味い、このままこの空間に居たら先になのはが…)
フェイトはなのはの身を案じた。今のメンバーの中で一番彼女が疲弊しているのだ。となれば先に力尽きるのも彼女になる。その前に何としても奴を倒して元の空間に出なければならない。
だが、
「くっ…」
「か、体が…」
既に激闘に次ぐ激闘を行ってきていたメンバーに戦う力など残ってはいなかった。当然マジンガーZにももう余力は残っていない。既に武器の殆どを使い果たしてしまっており超獣相手に良い様にされている状態でもあった。
(死ねない…こんな所で…こんな奴に負けて死ぬなんて…絶対に嫌だ!)
既に立ち上がる気力さえ失われていたフェイト。バルディッシュを杖代わりにしてようやく立てる状態でもあった。しかし、そんな状態ではとても超獣に勝つ事など不可能であった。
***
暗い…その一言であった。目の前に映るのは何も映らない真っ暗な世界だった。
何も見えない。何も聞こえない。何も感じない。そんな世界だったのだ。
その世界の中、なのははたった一人倒れていた。
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