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スーパーヒーロー戦記
第36話 紅い光
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る。

「母さん……うぅっ!」

 フェイトは声を上げて泣いた。最早声を上げないプレシアの亡骸を強く抱き締めて大声で泣いた。
 
「フェイトちゃん…」
「本郷、今はそっとしておいてやろう。それよりも上に居る三人を出してやらないと」

 本郷と一文字はそっとフェイトの側から離れ、捕えられていた三人の結界を破った。この結果、魔力防御力は高いが物理には相当弱いらしく、力の弱っていた二人でも簡単に破る事が出来た。
 結界を破った中からユーノ、アルフ、クロノの三名を救い出す。すると、三人がそっと目を開ける。

「怪我はないか?」
「いい加減起きろよ、お寝坊さん達」

 二人の言葉を聞き、三人はそっと起き出す。

「こ、此処は…」
「僕達…一体何を?」
「フェイト…それに、プレシア」

 アルフは既に事切れていたプレシアを抱き抱えて泣き崩れるフェイトを見ていた。どうやらフェイトが仕留めたのだろう。
 未だに泣きじゃくっているフェイトの肩にアルフがそっと手を置く。

「フェイト…何て言ったら良いか、私は良く分かんないけどさぁ…プレシア、良い顔で逝ったみたいだね」
「うん、母さん…最期は、笑ってた…とても、嬉しそうに…」

 大粒の涙を流しながらフェイトは言う。その涙をアルフはそっと拭い去る。

「だったら、もう泣くのは止めよう。でないと、プレシアも困っちゃって安心して天国に逝けないしさ」
「アルフ…うん、そうだよね」

 そっとプレシアの亡骸を下に置き、強引に涙を拭う。未だに目元が赤い状態でありながらも、フェイトは毅然とした表情をし立ち上がった。
 何時までも悲しんではいられない。とにかく今は前に進む事が先決であった。

【中々楽シイショーダッタヨ諸君】
「この声…ヤプール!」

 突如空間を突き破るかの様に皆の目の前に現れた者。それはヤプールであった。そして、ヤプールの出現と同時にさっきまで居た空間が突如変貌していく。
 其処はヤプールのみが自由に動ける異次元空間であった。この空間の中ではヤプールだけが自由に行動出来、それ以外の存在は行動に制限が持たれる上に常時力を奪われると言う仕組みとなっていたのだ。

【マァ、アノ女モ多少役ニタッタトイウ所ダロウ。残ルハ我等本来ノ目的ヲ達成スルダケダ】
「貴方に…なのはは渡さない!」
【今更貴様如キニ邪魔ハサセン! ソノ光ハ我等ノ物ニスル! 邪魔スルト言ウノナラコノ場デ排除スルマデ!】

 そう言った時だった。一同の前に突如として一体の怪獣が姿を現した。大きさは今までの怪獣よりも一回り大きい。その上パワーも桁外れの様だ。

「か、怪獣!」
【違ウナァ。ソレハ我々ガ作リ上ゲタ怪獣ヲ超エル怪獣。ソノ名モ超獣ダ!】
「ちょ、超獣だと!?」

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