悪魔の兵器
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う。健闘を祈るぞ。そしてだ」
「そして」
「必ず勝つ。そして誰も死ぬな」
「わかっていますよ」
本郷と一文字がそれに応える。
「おやっさんもね」
「無理はしないで下さいよ、歳なんですから」
「おい、何を言うんだ」
立花はそれを聞いて口を尖らせた。ここであえてひょっとこの様な顔をしてみせる。
「わしはまだまだ若いぞ。御前達には負けんぞ」
「そう言っていつも後で腰が痛いとか言ってたじゃないですか」
ここで城が入ってきた。
「そうそう、戦いの後はいつもそうでしょね、おやっさんは」
「おい敬介、御前まで言うのか」
立花はそれを聞いてさらに口を尖らせる。
「わしみたいに若い奴はそうそうおらんぞ」
「気持ちだけは」
「こら丈二」
立花は結城を叱るふりをした。
「御前はこの前わしを二十代みたいだと言ってただろうが」
「そうでしたっけ」
「くそ、どいつもこいつも。おいアマゾン」
退路がなくなった彼はアマゾンに助っ人を頼んだ。
「御前はどう思う。御前はわしの味方だよな」
「うん」
アマゾンは頷いてそれに応えた。
「アマゾンおやっさんの味方。これ変わらない」
「よしよし、流石にアマゾンはわかっているな」
それを聞いて目を細める。
「だからアマゾン言う。おやっさん無理しちゃ駄目」
「なぬ!?」
「おやっさんもう歳、だから無理するのよくない。アマゾンそう思う」
「御前もか」
立花の顔はそれを聞いてさらに渋くなった。
「まあまあ」
谷がそれを宥める。
「彼等も悪気はないんですし」
「しかし」
「いいじゃないですか。心配してくれてるんですから。それだけ立花さんが慕われているってことですよ」
「そうですかね」
彼は自分が年寄り扱いされることを嫌う。だからヘソを曲げているのだ。
「まあ今回は私にも任せて下さいよ。私もまだまだやれますし」
「そうですかぁ!?」
ここで筑波と沖が声をあげた。
「谷さんも立花さんと大して変わりませんよ」
「関節痛は大丈夫ですか!?」
「何を言うんだ、御前達は」
谷はそれを聞いて立花と同じ様に口を尖らせた。
「わしのことをまだよくわかっておらんようだな」
「わかってますよ」
筑波は苦笑しながら答えた。
「背中にお灸していることは」
「これは気合を入れる為だ」
「じゃあそこのサロンパスは」
沖が指摘する。見れば肩から見えている。
「うぬぬ」
彼はそこで観念した。顔を顰めるだけである。
「どうやらお互い様みたいですな」
立花はそれを見ながら谷に言った。顔はもう苦笑いとなっている。
「全く」
認めるしかなかった。彼はおもむろに盃を手にした。
「こうなったらやけ酒だ。どんどん飲むぞ」
「肴もありますしね」
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