戦士達の集結
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たのでしたら申し訳ない」
「けれど我々にとっては谷さんも立花さんも非常に頼りになる存在なのですよ」
「そうなのですか」
彼はそれを聞いていささか機嫌を直した。
「だったらいいですけれどね、私みたいなおっちゃこちょいが」
「いえいえ」
三人は謙遜する谷に対して言った。
「頼りにしてますよ、本当に」
「今回も頼みますから」
彼等はやはり科学者である。戦闘員達は何とか相手できるにしろ戦いは苦手である。だからこそ谷の様な存在は有り難いのである。
谷もそれは同じであった。やはり彼等の存在は有り難い。彼等は互いに仲間であるからこそ信頼し合い、助け合っているのである。
二台の車もまた伊勢に向かっていた。そして戦場に向けて進むのであった。
その頃村雨と役は青山町にいた。
ここは木津川が流れる緑の山地である。見渡す限り山が続き緑の木々が生い茂っている。
二人はその中に潜んでいた。そして時が来るのを待っていた。
「それでもこんな家があるとは思いませんでしたね」
役は山の中の家のリビングで呟いた。
「ええ」
その隣の台所から村雨が出て来た。
「どうやら廃家みたいですけれどね。それでも生活するには支障はありませんよ」
誰かの別荘であったのだろうか。傷んではいるがかなりいい造りの家である。
「確かに。少なくとも雨露はしのげますし」
「それだけでも大きいですね」
二人はそう話しながら食事の用意をしていた。見ればカレーである。
「それにわりかし近くに店もありますし」
「ええ」
道に出ればコンビニもある。二人はそこで色々と買い物もしているのだ。
「姿を隠すのにも苦労しませんね」
「ただ用心は必要ですけれどね」
ハンバーグカレーであった。ハンバーグはレトルトのものである。二人はそのハンバーグを切ってカレーと共に口に入れる。
「美味い」
村雨はそれを一口食べてそう言った。
「いいですね。実はハンバーグカレーは食べるのははじめてですが」
「そうなんですか」
「はい。ハンバーグ自体あまり食べたことがありませんので」
「へえ」
これは少し意外であった。
「タルタルステーキの方が多いですかね、食べてきたのは」
「タルタルステーキですか」
馬の生肉を細かく刻んで卵や玉葱の細かく切ったものと混ぜて食べる料理である。元々モンゴルで食べられていた料理がもととなっている。
「あれも美味しいですよ。馬の肉は癖もありませんし」
「そうですね」
馬肉は村雨も食べたことがある。
「俺は馬刺しが好きですね」
「あれもいいですね。大蒜醤油で」
「はい。一度食べたら病みつきになりますよね」
村雨の顔がほころんでいた。
「あれが好きでして」
「私もですよ。日本ではあれが好きなだけ食べられるの
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