戦士達の集結
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あの家にいた。丁度朝になった時であった。
「お早うございます」
村雨は居間でソファーに横になって寝ていた。家に残されていた古い皮のソファーである。
「はい」
役は二階から降りて来た。彼は二階で寝ていた。これはここに隠れる時に二人で決めたことであった。一人が互いに警戒をする為である。
一階は村雨が担当する。そして二階は役。彼等はこうして手分けしてバダンを警戒していたのだ。
「ところで」
役が彼に声をかけた。
「わかっていますよ」
村雨はそれに対して引き締まった顔で答えた。
「では」
「はい」
村雨は起き上がった。そして二人はすぐに家を出た。そしてそのまま森に入って行った。
二人は青山公園に出た。森から出るとすぐに日差しに迎え入れられた。そして他の者達にも。
「お待ちしておりましたよ」
そこで誰かの声がした。
「その声は」
村雨はその声を聞くとすぐに身構えた。そして辺りを見回した。
そこに彼等はいた。皆既にゼクロスを取り囲んでいる。
村雨と正対する位置にヤマアラシロイドがいた。彼は村雨を見ながら不敵な笑みを浮かべている。
「ふふふふふ」
「何がおかしい」
「いえ、楽しいのですよ」
彼は余裕に満ちた様子でそう返した。
「貴方と再び御会いできたのがね」
「戯れ言を」
「戯れ言ではありませんよ」
彼は言った。
「ようやくあの時の戦いの続きができるのですからね」
「横須賀での時か」
「はい」
彼は答えた。
「まさかお忘れになったわけではないでしょう。貴方が記憶を取り戻された時なのですから」
「確かにな」
「そしてこれも」
彼はここで腕を振るった。するとその手の中に一本の槍の様な針が現われた。
そしてそれを村雨に向けて投げた。しかし村雨はそれを上に跳んでかわした。
「どういうつもりだ」
「挨拶ですよ。ほんのね」
彼は笑いながらそう言った。
「これから貴方を地獄にお送りする前の」
「どうやら復活しても大言する癖はなおっていないようだな」
「大言!?とんでもない」
彼はやはり笑いながらそう言った。
「真実ですよ。私が言う事は全て真実です」
「バダンが真実なぞ言うのか」
「ええ。何故なら」
彼の後ろにいる他の者達も動いた。
「貴方がここで死ぬのも事実だからです」
「やってみるか」
「ええ」
彼はそう言いながらニヤリと笑った。
「今ここでね」
左手を広げて顔の前にかざす。するとまず目が変わった。
髪が伸びそれが針になる。そして服が徐々に化け物の身体になっていく。
他の者達も同じであった。皆バダンの改造人間に変身していた。
そして戦闘員達も姿を現わす。彼等もまた村雨と役を取り囲んだ。
「さあ貴方も」
ヤマアラシロイド
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