戦士達の集結
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ですから:
「そういえば他の国ではあまり食べないですね」
「ええ、生肉自体が」
「確かに。東南アジアで生の魚食べて驚かれた日本人がいたそうですね。それも鯛を」
「そうらしいですね。まあそうでしょう」
役は首を縦に振りながらそう言った。
「生の肉や魚をあれだけ食べるのは日本だけですから」
「俺も外国でそれ見てびっくりしましたね。生で食べるのを凄く嫌がるんで」
「大昔はそうも言っていられなかったのですけれどね」
役はここで微かに微笑みながら言った。
「人も豊かになったものですよ、本当に」
その眼は不自然な程温かかった。まるで親が子を見るようであった。
(・・・・・・・・・)
村雨はそれをやはり違和感を覚えながら見た。彼には何かあるのだろうと思えてならなかった。
「さて」
一足先に食べ終えた役は彼に声をかけた。
「食べ終わったら行きますか」
「はい」
ここで丁度彼も食べ終えた。
「食器を洗ってから」
「おっと、そうでした」
そして二人は食器を洗った。これも見れば何処かで買った安いものである。中には紙のものもある。
洗いを終えると彼等は家を出た。そして山の中に入って行った。
その山の中で蠢く影がいた。
「ここにいるのか」
それはバダンの戦闘員達であった。
「間違いない」
その中の一人が答えた。
「家に灯りが点いていたからな」
「他の者ではないな」
「ああ、間違いない」
彼はそれに頷いた。
「二人の顔も見た、この目でな」
「そうか、なら間違いないな」
彼等はそれを聞いて頷いた。
「では行くとしよう。だがわかっているな」
「無論だ。我々の任務はあくまで偵察だ。彼等を倒すことではない」
「そういうことだ」
そして彼等は木々の中に消えていった。
村雨と役は山の中を歩き回っていた。そして青山公園に辿り着いた。
ここは青山の山地を公園にした場所である。風光明媚であり緑豊かな公園である。
二人はここで何か打ち合わせをしていた。
「ではもうすぐですね」
「はい」
彼等は椅子に座り話をしている。
「それでは我々も」
「ええ。時は来ました」
何かがあったようである。二人は頷き合う。
それから立ち上がる。そして再び公園の中に消えた。
「あそこだ」
それを遠くから見る影達がいた。あの戦闘員達である。
「遂に尻尾を掴んだな」
「うむ」
彼等もまた頷き合う。そして姿を消した。
「本部に連絡だ」
そう囁き合っていた。そのまま消えていった。
それから数日経った。ここに何人かの異様な風采の者達が入って来た。
「行きましょう」
「おお」
「了解」
彼等はそれぞれに別れた。そして個々に山に入っていくのであった。
その時村雨と役は
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