嵐の前
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ライダーとタカロイドが死闘を繰り広げたのは御存知ですね」
「はい」
「そしてスカイライダーが勝った。その時の作戦は核爆弾を使ったテロでした」
「そうらしいですね、それは筑波先輩からお聞きしています」
「一度破壊しようとしたところに本拠地を置くでしょうか。普通は有り得ないでしょう」
「そうですね」
それは村雨も同じ考えであった。
「ではこれは罠ですか」
「はい、間違いなくそうでしょう」
役は村雨に対して言った。
「おそらく事前に我々がここに来ることを察知してバダンが置いたものです。これは信用できません」
「そうですか」
三影がここに来た理由の一つがわかった。彼はそこに自分達を誘き寄せるつもりなのだ。
「ではどうしますか。この地図は破棄しますか」
「そうですね、何の役にも立ちませんし」
役はそれに同意し、その地図を破り捨てようとした。その時だった。不意に村雨の携帯が鳴った。
「はい」
「おう、わしだ」
「立花さんですか」
「んっ」
役はそれに耳を立てさせた。
「実はな」
立花は今の彼等の行動について話をした。話を聞き終えた村雨は顔を少し綻ばせていた。
「そうですか、有り難うございます」
「何、これも奴等との戦いだ」
立花は明るい声でそう返した。
「今こっちにはバダンのかなりの戦力が来ている。あいつ等もいるぞ」
「ロイドですね」
村雨はそれを聞いて顔を真剣なものにした。
「おう、かなり来ているな。わしも全員見たわけじゃないが」
「確か先輩達は全員そちらでしたよね」
「ああ、皆こっちにいるぞ」
立花はそれに答えた。
「だからこっちの方は心配するな。どうにでもなるからな」
「わかりました」
「だから御前は役君と調査をしっかりやれ。わかったな」
「はい」
「そういうことだ。じゃあな」
「はい、お元気で」
こうして電話は終わった。携帯をしまった村雨を役が見た。
「立花さんからですね」
「はい。何でも向こうにバダンの戦力がかなり向かっているようです。どうやら関東で陽動作戦を展開していてそれで引き付けたようです」
「そうみたいですね」
それは電話の声からも伝わった。
「ではこちらには殆どノーマークですね」
「それはどうでしょうか」
三影のことを言おうとした。だが急にそれを言ってはならない気がした。
(何故だ)
それは村雨にもわからない。しかし彼はそれを受けて話をするのを止めることにした。
「何かあるのですか?」
「あ、いえ」
彼はそれを打ち消した。役の問いに対して首を横に振った。
「何でもありません。ただ警戒は怠ってはならないかと」
「それはわかっています」
役は答えた。
「それでこの地図ですが」
「はい」
話は地図に戻った。
「
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