第二十話 少年期B
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より少し離れた場所にちょこんと猫が1匹。その距離感はプールの水しぶきが決して届きそうにない場所だ。そういえば、リニスにも苦手なものがあったなと思い出した。
「……ハイドロポーンプ」
「ふにゃァァアアアァァ!?」
ホースの蛇口を捻って、目標に向かって発射してみた。おぉ、ナイス反応。
「命中率80%だし、こんなものか。これ、蛇みたいにSの字で撒いたらスピードスターになったりする?」
「にゃァッ!?」
『すごい。これが相性差と呼ばれるものなのですね!』
「……そろそろやめてあげなさい」
******
さて、水遊びといっても、今回できることは限られている。結構しっかりした素材でできているみたいだが、さすがにビニールプールではしゃぎすぎる訳にはいかない。潜ったり、泳げるほどのスペースも当然ない。家族3人が入って、多少空間が余るぐらいだ。
なので、最初は本当に水に浸かって涼んでいた。おしゃべりをしたり、渦潮ごっこしたり、おもちゃの水鉄砲でコーラル目がけて撃ってみたりして遊んでいた。
「あ、外した!」
「むー、なかなか当たらないよ」
「ふふ、がんばって2人とも」
ちなみに現在の的はコーラルでもリニスでもなく、母さんが魔法で作り出したシューターだ。空中を移動する複数のシューターに向けて水鉄砲を撃ち、アリシアと勝負をして遊んでいる。始めは俺が勝っていたのだが、母さんがコントロールしだしてからは、なかなか当たらなくなってしまった。結構悔しい。
これは誘導射撃型の魔法で、射撃魔法の中でも機動力が高い。母さんに初めて見せてもらったとき、これなのはさんがよく使っていた魔法だと思い出した。追尾機能とか便利なものもあった気がする。だけど今はそんな機能はなく、母さんの思念操作でスムーズな動きを見せている。
攻撃魔法であることは間違いないのだが、まさかこんな風な使い方があるなんて思ってもいなかった。魔法って使う用途や設定次第で、多様な使い方ができるんだな。
「ねぇ、母さんってなんでそんなに魔法が上手なの?」
「うーん、そうね。もともと魔法の構築理論や法則を解析することが好きだったのもあるわ。なによりも新しいことを発見して、そして自分の力になっていくことがわかるのが楽しかったからかしら。今も魔法や技術は、自分も世界もこれからまだまだ成長できるもの」
的当てゲームが終わり、俺はビニールプールに身体を預けながら、気になったことを質問してみた。ちょっと勉強したからわかったことだけど、さっき母さんがやっていた誘導弾はすごく技術のいるものだったりする。なんせデバイスを使わない複数の精密操作で、しかも「電気」を纏っていなかった。
それはつまり、母さんは魔法の操作と魔力を変換さ
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