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少女1人>リリカルマジカル
第二十話 少年期B
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「えっ、3日後にそっちに行けるかですか?」
『あぁ、そうだ。ようやくこちらもある程度準備ができたからなぁ。お前さんの持っとる情報ともきちんと整合性を取っておきたい』
「……だけど、大丈夫なんですか。俺一応保護されている立場でしょう? 俺が突然いなくなったらお姉さんだって気づくし、母さん達の立場が悪くなったりしないですか」
『かっかっかっ。心配せんでもええわい。ちゃんと迎えを用意しておくから問題はない』

 いや、だからどうして心配する必要がないのか言ってくださいよ。久しぶりに話をしたけど、このおじいちゃん本当に相変わらずだな。豪快というか細かいことはさて置いて、という人だし。まぁそのさっぱりした性格のおかげで、こうして協力してもらえているんだけどさ。

 ここに居を構えてから随分経ったある日。いつも通りの日常を過ごしていた今日、コーラルからついに連絡が入ったと知らせを受けた。たくさんあった蝉の鳴き声も前に比べると少なくなり、そろそろ夏も終わり秋に入っていくだろう時期のことだった。


『坊主も相変わらずみたいだなぁ。慎重なのはいいことだが』
「……別に悪いことではないでしょう」
『あぁ、悪いことではない。儂も家族の一大事なら、そうするさ』

 そう言って、またいつものように笑い声が通信から響く。音量は小さくしているし、母さん達もお風呂に入っている。だけど、いつお風呂から2人があがるかわからないし、そこまで長話ができるわけではない。

 空中に映し出される映像画面には、5、60歳ぐらいの男性が映し出されている。 高齢なのだが、決してその姿は弱弱しくはなく、むしろ屈強な人物という印象を受ける。肩幅も広く、年齢を聞いていなければ、とても70歳には見えない人だ。ちょっと憧れる。

 それにしても、このおじいちゃん相手だとどうも調子を出すのが難しい。俺よりもずっと年上の方だけど話すのは嫌いじゃないし、面白い人なんだけどな。ちょっとつかみづらいというか、なんというか…。まぁ、そんな感じの人だよな。

「とりあえず、その迎えの方が来たらどうしたらいいんですか?」
『転移でこっちに飛んで来い』
「迎えの意味あるんですか、それ」
『坊主の言う心配事をなくすためだ。儂を誰だと思っとる』

 あぁ、確かにおじいちゃんならそこらへんは問題ないのか。その結論に至ったため、わかりました、と俺はおじいちゃんの言葉に了承を返しておいた。しかし、ここまで色々やってくれてなんだか申し訳ないな。


『しかしそのレアスキル、ほんとに便利だのぉ。儂のところで働かんか?』
「今明らかに俺のレアスキル重視で勧誘しましたよね」
『だってなぁ、儂ぐらいの年になると移動がめんどくさくてな。迎えに来てくれると楽じゃし、旅行もタダだし、仕事の出
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