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リリカルってなんですか?
無印編
第二十話 後
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ルフさんに任せた。よって今の僕は、なのはちゃんの傍にいること以外は手持ち無沙汰になってしまったので、考えても仕方ないことと思いながらも、思考をそちらに向けてしまうのだ。ちなみに、ユーノくんの手伝いは、単純にレイジングハートへアクセスすることだった。最初に作った僕のユーザ権限でアクセスすることができると、なぜかユーノくんとユーノくんと一緒にいた技師の人は驚いていたが。

「んっ……んん……」

 さて、どうして、なのはちゃんは変身できたのか、という命題に対していくつかの選択肢を考えかけたところで、突然、なのはちゃんの眉が動き、起きる直前のような声を出した。その予想は正しかったのだろう。僕が上から覗き込むのと同時になのはちゃんはゆっくりとその瞼を開いた。まっすぐ、なのはちゃんの大きな瞳が僕を見つめてくる。

「え……あれ? ショウ……くん?」

 まだしっかりと意識が覚醒していないのだろうか、ややはっきりしない様子でなのはちゃんが問いかけてきた。

「おはよう、なのはちゃん。そうだよ、翔太だ」

「えっ!!」

 掛けられた布団を跳ね除けるような勢いで、上半身を起こすなのはちゃん。上から覗き込んでいた僕だったが、危うくヘッドバットを喰らうところだった。幸いにして間一髪避けることはできたが。

「えっと……私、アースラに来て……そうだ、あの人と模擬戦をして……」

 起きたばかりで記憶が混濁しているのだろうか、一つ一つ思い出すようになのはちゃんは今日のことを口にする。あの模擬戦のことも。何か反応を見せるのだろうか、と思って注意深く観察する。だが、僕が予想していた方向とはまったく逆方向の反応をなのはちゃんは見せてくれた。

「あ、そうだっ! ショウくんっ! 私ね、あの人に魔法で勝ったよっ!! 見ててくれた?」

「あ、うん」

 無邪気に笑いながら僕に報告してくれるなのはちゃん。あまりに彼女が無邪気に笑って言うものだから、あのときの事実はそんなに重いものではないのではないだろうか、という疑念すら沸いてくる。だが、そんなわけがない。誰も彼もが呆気に取られた事態だ。重大な事件でないわけがない。

「ショウくん?」

 僕が心配そうな表情をしていることが気になったのだろうか、なのはちゃんも心配そうな声で僕に声を掛けてくれた。一度は聞こうか、あるいは聞くまいか、悩んだが、このまま知らないでは済まされないと思い、僕は意を決してなのはちゃんに尋ねる。

「ねえ、なのはちゃん」

「なに? ショウくん」


「あの模擬戦でなのはちゃんが成長したのは何だったの?」


 僕の問いにびくっ! と肩を震わせ、僕から目を逸らして、一言呟く。

「魔法……だよ」

「嘘だね」

 僕はなのはちゃんの言葉
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