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リリカルってなんですか?
無印編
第十九話 裏 (アリサ、アルフ、クロノ、なのは)
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ると、相対的な価値を持つこの世界の金の相場を崩してしまう。それは、管理局が定めた法に過干渉という意味合いで違反してしまう。

 だからこそ、クロノは頭を悩ませていた。もっとも、謝礼の内容は、明日の交渉次第だろう。

「それで、エイミィは何をしてたんだ?」

「今日の模擬戦の解析だよ」

 そういって、キーボードをカタカタッと叩くと管制塔の大画面にクロノとなのはという少女の模擬戦の様子が表示された。

 杖を振るい、桃色の光に包まれた少女が黒い少年に果敢に戦いを挑む様子が映し出されていた。

「すごいよね。この子、平均魔力値だけで言うならSクラスだよ」

「確かに魔力はすごいが………それだけだな」

 そう、だからこそ、魔力で劣るクロノはあの少女に七回も勝てたのだ。

 白い少女―――なのはといっただろうか、彼女の戦い方は綺麗だった。綺麗すぎた。おそらく、彼女に対人経験はないのだろう。シミュレーションばかりのはずだ。だからこそ、型にはまった綺麗な戦い方をしていた。シミュレーションをあのインテリジェントデバイスで行っていたとしても、パターンには限りがある。そして、シミュレーションに従い綺麗に戦う以上、執務官としての経験を積んできているクロノが負ける理由は何所にもなかった。

 綺麗であるが故に、教科書どおりに対処するが故にクロノにはなのはの次の行動が分かるのだ。次の行動が分かる以上、なのははクロノの手の平の上で踊っているに過ぎなかった。

「しかし、あれで魔法を習い始めて一ヶ月なんていったら、管理局の何人が辞表を出すかな」

 最初は耳を疑ってしまったが、信じられないことに彼女が魔法を習い始めて一ヶ月しか経っていないというのだ。もっとも、最初は信じられなかったが、模擬戦を勧めていくうちにそれが信じられるようになった。

 高町なのはは成長のスピードがありえないほどに早い。クロノの動きにも模擬戦の三回目には目で追うようになり、五回目ぐらいには半ば反応できるようになっていた。わざとシミュレーションにはありえないトリッキーな動きを取り入れたというのに同じ手が綺麗に決まることはなかった。

 最年少に近い管理局の執務官であるクロノでさえ、彼の恩師の使い魔に何度も叩きのめされ、身体で覚えたというのに彼女は、一回の痛みで、クロノの動きをものにしてしまうのだ。それは、シミュレーションとはいえ、一ヶ月であれだけ強くなるはずだ。

「う〜ん、この子が協力してくれたら今回の事件も楽に解決しそうなんだけどね〜」

「だろうな」

 エイミィの言葉には賛成だ。この戦力をもしもアースラが使えるとすれば、それは多少腕は落ちるもののSクラスの魔導師が存在することになるのだから、楽にならないわけがない。

「だが、取りたく
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