無印編
第十九話 裏 (アリサ、アルフ、クロノ、なのは)
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人でお風呂に入ることになった。もっとも、翔太は目を瞑って一切、こちらを見ようとはしないのが不審な行動といえば、行動だったが。
さて、お風呂にも入ってやや時間も過ぎた頃、フェイトは眠くなったのか、いつも翔太の母親と一緒に寝ている寝室へとやってきた。本当なら翔太の母親と一緒に寝ているのだが、今日はまだ翔太の母親が家計簿とやらをつけている最中ということで、今日はアルフと翔太がフェイトが寝付くまで一緒にいることになった。
ちなみにアルフはいつもは、リビングで狼形態になって寝ている。翔太は自分の部屋があるのものの、最近はフェイトと一緒に寝ており、自室のベットはあまり使っていないようだった。
寝室で布団に包まれたパジャマ姿のフェイトは、よほど眠かったのか、布団に包まれた途端に寝息を立てて眠り始めた。
「ねえ、アルフさん」
「なんだい?」
フェイトを起こさないための配慮なのだろう。フェイトを挟んだ向こう側で寝ているはずの翔太が小声でアルフに話しかけてきた。アルフは、最近、ようやく見ることができた安らかな寝顔で眠っているフェイトの頭を撫でながら答える。
「今日、時空管理局の人が来たよ」
「そうかい」
思ったよりも衝撃はなかった。ジュエルシードを集めている頃なら、まだ衝撃はあったのかもしれない。なぜなら、管理局に逆らってジュエルシードを探さなければならないのだから。だが、今はこうしてフェイトはジュエルシードを探すこともなく安らかに眠っている。だから、あまり管理局のことは頭になかったのというのが正確なのかもしれない。
「アリシアちゃんのことを話したよ。どうやら管理外世界の無断渡航で、少し罪があるらしいけど、アリシアちゃんの母親のことを話せば、司法取引で無罪になるらしい」
それを聞いてアルフは、ほっと胸をなでおろした。確かに言われて見れば、管理局に何も言わずに管理外世界に来ているのだから当然、その分の罪がある。だが、あのクソ婆のことを話すことでフェイトが無罪になるのであれば、アルフは洗いざらい話すつもりだった。
「後は、事情聴取とか病院とかあって一度、管理世界の方に行かなくちゃ行けないみたいだけど、それが終わって手続きすれば、このまま僕たちと一緒に暮らすこともできるみたいだよ」
「なるほどねぇ」
翔太の言葉に相槌を打ちながらもアルフは考えていた。つまり、今の言葉は、アルフに問いかけているのだ。このまま残るか、あるいは管理世界に行くか。それはアルフの一存で決めることはできない。だが、このままであれば、翔太の母親を母さんと慕っているフェイトはこの家に残ることを選択するだろう。いや、それ以外の選択肢があるとは考えにくい。もしも、翔太の母親から引き離そうとするとあの症状が出ることも考えられる
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