無印編
第十九話
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た僕は、常態化することが分かっていながらも素直に答えるしかなかった。
「う、うん、十分おいしかったと思うよ」
僕の素直な回答にすずかちゃんは顔を綻ばせて喜ぶのだった。
◇ ◇ ◇
あの後、すずかちゃんはあれもこれもと僕に箸で渡してきたため、昼間は恥ずかしい思いをしながら昼食を食べた。もっとも、全部渡すとお弁当のおかずがなくなるので、僕の中からいくつかすずかちゃんに渡した。ただ、誤算はその時、すずかちゃんが口を開けてきたことだろう。さすがにそれは回避した。
さて、不気味だったのが、やはりアリサちゃんだ。僕の助け馬に入るように暴れてくれてもよかった―――いや、いつもなら自分だけが仲間はずれになっていれば、暴れたであろうアリサちゃんが今日は静かに観察するように僕たちを見ていたのだから。何かあったのか? と問うことはできなかったけど。
すずかちゃんの相変わらずのテンションと静かなアリサちゃんという不思議な昼食を過ごした後、少しばかりの授業を受けて放課後。相変わらず放課後は、ジュエルシード探しだ。教室を出た後、隣のクラスのなのはちゃんと合流して、聖祥大付属小の近くの公園で恭也さん、忍さん、ノエルさん、ユーノくんと待ち合わせだ。彼らと合流した後、今日の捜索範囲を決めるのだが、今日はその必要がなかった。
なぜなら――――ジュエルシードが発動したからだ。
それを感じたのは、なのはちゃんとユーノくんだった。まるでタイミングを計ったように僕たちが集まった直後にジュエルシードは発動した。すぐさま、僕がもっている地図を広げて場所を確認する。その地図の殆どは赤い斜線で塗りつぶされていたが、まだ捜索していない場所となのはちゃんたちが感じた方角から大体の場所を確認した。
ジュエルシードが暴走した場所は―――海の近くにある公園だ。
まだ海側が捜索していないので、そこにあったジュエルシードが発動したのだろう。場所を確認した僕たちは、その場所へと急行する。僕は恭也さん、なのはちゃんはノエルさんに背負われて、風のように。忍さんやノエルさんが早いのは分かるが、それに追いつける恭也さんは本当に人間なのだろうか。
「――――広域結界発動!!」
やがて、ジュエルシードが結界作用範囲内に入ったのか、ユーノくんが広域結界を発動させる。同時に周りの雑音がなくなる。今まで隣を歩いていた街の人も道路を走っていた車も。僕たち以外の人の気配がなくなってしまった。何度見てもこの結界という魔法は驚く。一人も人間がいなくなるのだ。街はまるでゴーストタウン。不気味というほかない。
だが、誰もいなくなったのは、これ幸いとでも思ったのか、恭也さんたちは、歩道を走っていたところを今度は道路を駆ける。そのおかげか
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