第35話 張り巡らされた罠
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
り構わず上に居るヤプールに向って飛び上がっていくなのは。途中下でクロノとフェイトが魔力弾を放っているがそれを全て回避しヤプールの目前に迫る。
【ホホゥ、流石ハ…】
「皆を…元に、戻せぇぇぇぇぇ!」
怒りの思いを形のままにレイジングハートを両手に持ちヤプール目掛けて振り下ろした。だが、それが命中した時、ヤプールの姿は霧の様に消えてしまった。
「そ、そんな…」
驚愕するなのは。その時、背後に激しい痛みが走る。フェイトが背中から切り裂いたのだ。背中に痛みが走る。
そのダメージが原因か高度を維持出来ず徐々に高度が下がりだす。そんななのはを畳み掛けるかの如く怒涛の攻撃が襲い掛かった。
フェイトが切り裂き、アルフが殴り、クロノが撃つ。三者三様の巧みな攻め方に苦戦を強いられていく。更に相手はあのフェイト達。実力を出せないのだ。そんななのはへ容赦ない攻撃が降り注ぐ。気がつけば体中に生傷が出来上がり、BJもボロボロになり、まともに立つことさえ困難となっていた。それでもなのはは立つ。皆を救う為に。
「御免…皆…ちょっと痛いけど…必ず元に戻してあげるからね」
なのはは決意する。こうなれば皆を気絶させてでも救うしかない。となれば嫌が応でも戦うしか道はない。レイジングハートを握り締めて三人を見る。だが、其処で違和感を感じた。
ユーノが居ない。
そう感じた時、全ては遅かった。
「あっ!」
気がつけば鎖状のバインドがなのはの体中に巻きつき動きを封じていた。レイジングハートを手放してしまい、三人の頭上に固定されてしまった。
「こ、このバインド…まさか!」
バインドの元を見た。其処に居たのはまぎれもなくユーノだった。そして、彼の目にも生気は宿ってはいなかった。
「そ、そんな…ユーノ君まで…」
一番古い仲であるユーノでさえ敵となってしまった。その現実がなのはの心を打ち砕くには充分過ぎる事であった。
【ソロソロ終ワリダナ…トドメヲ刺セ! 但シ、シナナイ程度デ…ナ】
上空で見下ろしていたヤプールが告げる。その声を皮切り、なのはの目前に現れたのはフェイトであった。フェイトの手がなのはの頬に触れられる。頬を伝いにフェイトの手の温もりが伝わってくる。
「サンダー……レイジィ…」
静かに、冷たく呪文が唱えられた。それと同時に辺りに激しい電撃が放射される。それはフェイトとなのはの二人を包み込んでいく。その中では、激痛の悲鳴やBJが焼け焦げていく音などは全て消し去られていく。
それ程までの激しい電撃が目の前で起こっていたのだ。
それからやがて、数分が経った後、辺りには焦げ臭い匂いが充満し、黒煙が立ち篭っていた。その黒煙の中から現れてきたのは、ぐったりとなって動かなくなったな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ