第35話 張り巡らされた罠
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に生気が宿ってないのだ。
まるで操り人形の様になったフェイトが目の前に居た。
「フェイトちゃん…一体どうしたのフェイトちゃん! 目を覚まして!」
なのはは叫んだ。悪い冗談であって欲しいと願った。だが、その願いも叫びも無駄に終わった。目の前に居るフェイトは今なのはの敵として立ちはだかったのだ。持っているデバイスから放たれる金色の刃を振るいなのはを切り裂こうと迫ってくる。必死に回避しようと後方へと飛び下がるなのは。だが、地面に降り立った直後また別の気配を感じた。振り返った時、襲ってきたのは硬く握りこまれた拳だった。突然の事だった為に結界を張る事すら出来ず、その拳は幼い少女の腹に叩き込まれた。
「あぐっ!」
痛みに体がくの字に曲がる。涙目になりながらもなのはは自分を殴った相手を見た。
それはアルフだった。アルフの目にも生気は宿っていない。フェイトと同じく操り人形の様に無言で攻撃を仕掛けてきたのだ。
「そ、そんな…アルフさんまで…」
ゆっくりと迫るフェイトとアルフ。その二人から逃れようと距離を開ける為上空へ飛ぼうとした。
だが、それを突如襲い掛かった数発の魔力弾が阻害した。魔力弾は全てなのはの背中に命中し、彼女を地面に叩き落した。
激しい痛みが体全体に伝わる。痛みを堪えて起き上がったなのはの目に映ったのは、クロノだった。
生気の無い冷え切った目でこちらを睨み、デバイスを構えている。
「ク、クロノ君まで……」
よろよろと立ち上がるなのはの目の前には敵となったフェイト、アルフ、クロノの姿があった。
戦えない、この人達とは戦えない。震える手でなのはは三人を見た。フェイト達は大事な友達だ。そんな彼女達を傷つける事など出来ない。
だが、そんななのはの思いを三人は理解などしてくれなかった。三人の容赦ない攻撃がなのはに向かい降り注いでくる。
「止めて! 皆目を覚まして! もうこんな事止めてぇ!」
【無駄ダヨ。ソイツラニ自我ハナイ】
「はっ!」
声がした。それは上の方だった。見上げれば其処に居たのは以前会った事のある敵の姿だった。
「ヤ、ヤプール!」
【ヒサシブリダナァ光ノ子ヨ。コウシテオ前ニアエタ事ヲ嬉シク思ウゾ】
不気味な笑い声を浮かべながらヤプールは下に居るなのはを見ていた。その視線を感じたのか、なのはは背筋の凍る思いを感じた。
「皆を、皆を元に戻して!」
【ソレハ出来ナイナァ。コレカラ最高ノゲームヲ堪能サセテモラオウカ。友達同士ノ殺シアイヲナァ】
ヤプールの狙いはそれであった。たったそれだけの為にフェイト達を操った事になる。その行いがなのはの中にある心に怒りの炎を焚き付けた。
「許さない……ヤプール! お前だけはぁぁぁ!」
形振
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