§13 東西奔走イタリア紀行
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か言い出したらキリがないからやめておくよ」
「自分が戦いたいがために都市に大損害を与える人間と話し合いが通じるとは思えませんけど」
「うぐっ」
行動を考えるとサルバトーレとかいう男はおそらく、黎斗を神殺しと察知すれば勝負を挑んでくる。そうなれば自衛のために戦うわけだが噂になるのは避けられない。一、二回死んで満足してくれるなら負けてもよいのだけれど。
「んなコトしたらカンピオーネってバレるよねぇ……」
現在最古のカンピオーネとしてゴタゴタにかかわってしまうのは必至。そんな結末を遠慮したい黎斗のとる手段は二つ。
隠しきるか、知られたら倒すか。つまるところ、それしかないのだ。
「……ペルセウスは潰す。サルバドーレからは逃亡。見つかったら黙ってくれるよう説得。最悪倒すことも視野に入れる」
仮案を出してみる。とにかく護堂が挑む前に決着をつけねばならない。
「三人には悪いけど今日僕は別行ど……」
「マスター、それは彼らの遭難フラグ、しいては死亡フラグですよ」
これまでの惨状を鑑みるに、彼らの末路がありありと見えてくる。下手したら”本当に”死亡しかねない。まったく、現地での会話が出来ないのにくるなんて!
「エル、至急幽世行くよ。姫さんとスサノオに協力をしてもらおう。人化の術式を組み上げる」
「ママママスター、一体何を!?」
突然飛んできた思わぬ言葉に慌てふためく様は見ていてとても面白い。が、ここで面白がっている時間はない。広大なイタリアを身一つで探すのだ。カイムの権能で情報を集めようとしてもペルセウスと同じような姿恰好をしている人間だって大勢いるだろう。こういう探し人の場合この力はあまりアテにならないものだ。だから、探索に割ける時間は多いほど良い。今から探せば、夜までには見つけられるだろう。
「幽世で二人の協力の下、エルを女性に変化させる。あとは僕の海外の従妹ってことで三人の案内を」
「イヤですよあんな変態達の!?」
即答。即答である。彼らの自業自得とはいえ、流石に哀れになる黎斗。一応友達として弁護してやるのが仁義だろう。
「たまにはそうかもしれないけどさ、三人ともいい奴だし、ね?」
「……いい方々かどうかはこの際置いておきましょう。マスター、あの人たちは本当に”たまに”変態なだけですか?」
思い返してみる。今まで過ごしてきた三人の言動を。変な影響を受けやすく、一度染まってしまうと凄まじい暴走を見せつける高木。巫女萌えを公共の場で宣言してしまう名波。そして、二次元に百人を超える妹を持つと言い、常日頃から彼女たちに愛を注ぐ反町。
「…………」
思わずエルから顔を背ける。変えることの出来ない現実があるのなら、それを受け入れて未来へ進
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