暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
狼の本性〜
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その場にいた全員がそう発した。何故ならクラディールが、真っ二つに裂け・・・消滅したから。そして散り行くポリゴンの背後にいたのは・・・

「・・・くたばってろ、ゲスが・・・」

擬音を振り下ろした亮の姿だった。亮はわたしに駆け寄ってくる。

「平気か、咲!?」

亮は回復結晶でHPを回復してくれてから剣を引き抜いてくれた。

「う・・・」

「咲!」

「どう・・・して・・・?」

「アスナのお陰だ。アスナがリストの追跡でゴドフリーが死んだのに気付いて飛び出して・・・お陰で少し遅れたけどな」

「お姉ちゃんが・・・」

亮はキリトを見る。

「アスナ、兄貴を任せるよ。咲は俺が担当するよ」

「え・・・」

「・・・兄貴、俺は先に戻るから」

「・・・ああ。・・・亮、お前人を・・・」

「気にしないで。・・・じゃあ」

転移をしてわたしは亮の家に連れてこられた。少ししたら亮から知らされた詠が焦りながら家に飛び込んできて・・・泣いた。そこでようやく“俺”に戻れた。

「ごめん・・・詠・・・」

「・・・咲・・・ボク・・・」

「・・・まあ、無事でよかったじゃないか」

「はい。・・・生きていれば、まだ先はありますから・・・」

『でも・・・オイラは何も出来なかったッス・・・』

「リパルは悪くない。俺が・・・俺がもっと早くアイツの正体に気づければ・・・」


それから夕食にして・・・しばらく話をしていた時・・・
アスナからメッセージが届いた。

「え・・・?」

亮も何か届いたのかメニューを開く。

「えっ、と・・・“早貴へ、わたしね、キリト君と・・・”」

「“亮へ、俺さ、アスナと・・・”」

「「“結婚します”・・・え・・・!?」」


同時に驚き・・・そして、唖然。

「お姉ちゃんが・・・結婚・・・キリトと・・・?」

「咲・・・」


「あれ・・・何でだろう」

頬を何かが伝う。

「良いことなのに・・・何でだろう・・・涙が、止まらないや・・・」

せっかく俺になったのに、またわたしになってしまった。

「そっか・・・お姉ちゃん、結婚・・・するんだ」

「・・・あの鈍感兄貴がな・・・」


「あはは・・・お祝い、しなきゃ・・・」

「咲、平気?」

詠に聞かれ・・・

「・・・分からない・・・ごめん、亮。帰る・・・」

「・・・ま、混乱するよな・・・ゆっくり休めよ」

「うん・・・ありがとう」

『咲さん・・・』

「今はそっとしといてやりなさい」

わたしは詠と一緒に帰る。・・・何となく空を見上げ・・・再び涙が一筋、頬を伝った・・・


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