暁 〜小説投稿サイト〜
真似と開閉と世界旅行
狼の本性〜
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うに・・・刺した。

「イヤァァァァ!!」

「ほおら、もう一、本っ!!」

左手も刺された。

「アアアアアア!!」

「更にオマケだぁ!」

両足の太股にも剣が刺さる。

「うぁ・・・あ、あ、あ・・・!!」

『咲さんっ!!!』

「いいぜぇ・・・その顔・・・この間の仕返しってことだ」


HPバーは危険域で、だけど麻痺と身体中張り付けられ、動けなくて・・・・・・恐い、恐い、恐い。もう咲なんて何処にもいない。ただの臆病な早貴だけが残されていた。

「やだ・・・やだぁ・・・」

恐い、恐い、恐い恐い恐い。あと少しだけでも剣が刺されば、もしこの剣に貫通属性があったら・・・わたしは、死ぬ。

「嫌だぁ・・・死にたくない・・・」


『咲さん!?咲さん!』

誰、わたしを呼ぶの・・・やだ、恐い。外を見たくない。



「ヒヒッ・・・いいかぁ・・・?俺達のパーティーはァー、荒野で犯罪者プレイヤーの大群に襲われェー、優先空しく二人が死亡ォー、一人が拐われるも俺は無事生還しましたァ、ってのが俺のシナリオなんだよぉ!」

クラディールは新しい武器を装備してキリトに近づく。

「よぉ」

「・・・お前みたいな奴がなんでKoBに入った。犯罪者ギルドの方がよっぽど似合いだぜ」

「クッ、決まってんじゃねぇか。あの女だよ」

・・・それがアスナのことだと気付くのに時間が掛かった。

「貴様・・・!」

「そんなコエェ顔すんなよ。心配すんな、おめぇの大事な副団長さまは俺がきっちり面倒してやるからよ。色々便利なアイテムもあることだしなァ」

「ひっ・・・」

クラディールがこちらを見る。更に・・・クラディールはインナーの袖を捲り・・・そこには、そこには・・・

「「・・・!!」」

そこにあったのは・・・ラフコフの、タトゥー。しばらく前に討伐され、壊滅した。その時にわたしとキリトはラフコフのメンバーを・・・殺した。そしてクラディールは笑いながら・・・剣をキリトの右腕に突き立てた。

「・・・っ!」

クラディールが悦に入りながらキリトに何かを言い続ける。そして後少しでHPバーが全損するという時・・・キリトは目を見開き、麻痺しているにも関わらず腕を動かし、剣を掴んだ。

「お・・・お?なんだよ、やっぱり死ぬのは怖えェってかぁ?」

「そうだ・・・まだ・・・死ねない・・・」


「カッ!!ヒャヒャッ!!そうかよ、そう来なくっちゃな!!」

だが今の状態でクラディールに勝てる訳はなく、再び剣がキリトの体に沈んでいく。

「キリ・・・トォ・・・!!」

わたしは叫んだ。どうにもならないけど、黙ってるのは無理だった。

「死ねーーーーッ!!
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