狼の本性〜
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
うに・・・刺した。
「イヤァァァァ!!」
「ほおら、もう一、本っ!!」
左手も刺された。
「アアアアアア!!」
「更にオマケだぁ!」
両足の太股にも剣が刺さる。
「うぁ・・・あ、あ、あ・・・!!」
『咲さんっ!!!』
「いいぜぇ・・・その顔・・・この間の仕返しってことだ」
HPバーは危険域で、だけど麻痺と身体中張り付けられ、動けなくて・・・・・・恐い、恐い、恐い。もう咲なんて何処にもいない。ただの臆病な早貴だけが残されていた。
「やだ・・・やだぁ・・・」
恐い、恐い、恐い恐い恐い。あと少しだけでも剣が刺されば、もしこの剣に貫通属性があったら・・・わたしは、死ぬ。
「嫌だぁ・・・死にたくない・・・」
『咲さん!?咲さん!』
誰、わたしを呼ぶの・・・やだ、恐い。外を見たくない。
「ヒヒッ・・・いいかぁ・・・?俺達のパーティーはァー、荒野で犯罪者プレイヤーの大群に襲われェー、優先空しく二人が死亡ォー、一人が拐われるも俺は無事生還しましたァ、ってのが俺のシナリオなんだよぉ!」
クラディールは新しい武器を装備してキリトに近づく。
「よぉ」
「・・・お前みたいな奴がなんでKoBに入った。犯罪者ギルドの方がよっぽど似合いだぜ」
「クッ、決まってんじゃねぇか。あの女だよ」
・・・それがアスナのことだと気付くのに時間が掛かった。
「貴様・・・!」
「そんなコエェ顔すんなよ。心配すんな、おめぇの大事な副団長さまは俺がきっちり面倒してやるからよ。色々便利なアイテムもあることだしなァ」
「ひっ・・・」
クラディールがこちらを見る。更に・・・クラディールはインナーの袖を捲り・・・そこには、そこには・・・
「「・・・!!」」
そこにあったのは・・・ラフコフの、タトゥー。しばらく前に討伐され、壊滅した。その時にわたしとキリトはラフコフのメンバーを・・・殺した。そしてクラディールは笑いながら・・・剣をキリトの右腕に突き立てた。
「・・・っ!」
クラディールが悦に入りながらキリトに何かを言い続ける。そして後少しでHPバーが全損するという時・・・キリトは目を見開き、麻痺しているにも関わらず腕を動かし、剣を掴んだ。
「お・・・お?なんだよ、やっぱり死ぬのは怖えェってかぁ?」
「そうだ・・・まだ・・・死ねない・・・」
「カッ!!ヒャヒャッ!!そうかよ、そう来なくっちゃな!!」
だが今の状態でクラディールに勝てる訳はなく、再び剣がキリトの体に沈んでいく。
「キリ・・・トォ・・・!!」
わたしは叫んだ。どうにもならないけど、黙ってるのは無理だった。
「死ねーーーーッ!!
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ