黒き夜の中で
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
―と、
―――カキンッ、カキンッ
遠方からの銃弾がどこかに吹っ飛ぶ。
「どこの国か知らないが、あえて言わせてもらおうか。死にたい?」
その目は完全に相手を見下しているだろうと言われるだろうが、知るかと一蹴できる。
「悪いが私には妻子がいる。できればこのまま大人しく指示に従ってもらいたいのだが」
「諦めろ」
俺が放ったのはそれだけ。
それは「こっちは降伏する気はさらさらなく、家族がそっちを優先しろ」という意味だったのだが、
「しかし、それはできない。何より君が特殊な立ち位置にいるからだ」
「ああ。後ろ盾どーのこーのの問題ね。さっきもクラスメイトに言われた―――が、生憎俺はどこの国にも所属する気はないんでね。だから―――」
足を上げると同時にその男を踏みつけて意識を奪う。
「―――眠れ」
そう言ってその男を端に寄せてからその場から離れた。
(……シヴァ。そっちの状況は?)
『祐人を狙ったスナイパーは無力化したわ。でも殺さないとなると難しいわね』
(いくら大義名分とはいえ、死んだら元も子もない。今更善人ぶる気はないが、生きれるなら生かしてやろうと思ってな)
『甘いッスね。まぁ、それも仕方がないって気もしますけど』
(来てたのか、リヴァイア)
『ええ。なにやらおもしろそうなことをしてそうだったので』
(じゃあ頼むわ。殺さないのと周りには気付かれなかったらそれでいい)
『りょーかいッス』
そしてその晩、俺を―――いや、俺たちを襲ってきた奴らは全員倒した。
■■■
―――千冬side
「それで、用とは何だ?」
私は今、寮監室で山田先生と話をしていた。
「はい。実は―――あの白いISの操縦者と風宮君は無関係じゃないみたいなんです」
「………それは本当か?」
「おそらくですが、あの後私はラファール・リヴァイヴを借りてオルコットさんたちとは別の方向―――海の方に向かった風宮君がいたんですが、白いISの操縦者とはまるで知り合いのように話していたので、一応耳に入れておこうかと。それにあのISはどこの国にも造られていない型でした」
形状は福音のそれだが、そこも違ったか。じゃあ、一体何だ?
それに風宮の実力。助けてもらってなんだが、あれは異常すぎる。そして、度々開発される武装。そして、ディアンルグの謎の力。それと『シヴァ』。そろそろ本格的に問い詰めなければ各国がうるさいだろう。それに一夏や箒と違って風宮には後ろ盾はない。そろそろどこかに所属を決めないと―――だが、それをしても無事でいられるかわからない。やはり後ろ盾がなければ厳しい。最悪の場合、やはりというかディアンルグのことや風宮が記憶喪失の理由
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ