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リリカルってなんですか?
無印編
第十八話 裏 後 (アルフ、プレシア、なのは)
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を閉め損ねた水道のように胸の中に少しずつ溜まっていく。

 少しの間見ていたが、やがて見ていられなくなってサーチャーを消した。残ったのは、ジメジメした暗い場所でただ一人、お弁当を広げている自分だけ。

 惨めだった。どうして、どうして、どうして、となのはは自問自答する。

 翔太の血を吸うようなバケモノがあんなに楽しそうに食べているのに自分はただ一人で、こんな場所で食べているんだろう、と思う。自分は翔太に褒められるために色々頑張っているのに。しかし、なのはに何かできるわけもなく、今までの翔太との思い出を脳裏に描きながら、真っ二つに折れてしまったプラスチックの箸で黙々とお昼ごはんを食べるしかなかった。

 放課後、自分だけが、魔法を使える自分だけが翔太と一緒にいられる時間。今日からはおまけが二人ほど増えたが、彼女たちはなのはの兄と一緒に歩いているためなのは別に気にすることはなかった。

 次の日、この日は休日で、朝から翔太と一緒だった。魔法と出会う前は休日など何もすることがない日だったのだが、最近は、一日中、翔太と一緒にいられるため休日が待ち遠しくなっていた。翔太と一緒に海鳴の街を歩き回る。

 隣を歩けることが嬉しい。翔太との何気ない会話が楽しい。翔太と一緒にお昼を食べられるのが嬉しい。嬉しくて、つい昨日、バケモノがやっていたのと同じように自分のお弁当の中身を自分の手から食べてもらおうと思ったのだが、翔太が恥ずかしがって無理だった。

 ―――恥ずかしがらなくてもいいのに。

 だが、無理強いして嫌われたら大変だ。だから、なのはは無理強いはせずに、そう、とあっさり引いた。

 午後、午前中は晴天だったはずの空が崩れ始め、ついに雨が降ってきた。運の悪いことに住宅街を探していたため、どこにも避難する場所がなかった。そこで、翔太が彼の家へ行くことを提案してくれた。どうやら家は近いらしい。翔太の提案に賛成した全員で翔太の家へと向かう。

 なのはが翔太の家に行くのは初めてで、このときばかりは急に振り出した雨に感謝してもいいぐらいだった。

 その翔太の家へ向かう途中、思いがけない人物たちと出会う。

 ―――黒い敵だった。

 なのはが倒した黒い敵が、あの時、黒い敵を連れ去った女性に背負われてなのはたちの前に姿を現した。様子がおかしいことに気づいていたが、それがどうした。彼女は、翔太を傷つけた敵だった。だから、なのはは油断することなくレイジングハートを構えていた。翔太の声があればすぐにでも魔法が撃てるように。

 しかし、今回はなのはの出番はなかったようだった。自分どころか兄や着いてきた二人で何とかなっているのだから。それでも何かあったらいけないと、なのはがレイジングハートを構えるのをやめることはなかったが。状
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