無印編
第十八話 裏 後 (アルフ、プレシア、なのは)
[9/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
つまり、彼女はプレシアと同じくただ一人を求める人間だったということである。ならば、いくらでも交渉の余地はある。
もしも、プレシアが同属でなければ気がつかなかった。彼女が同属でなければ突破口は見つけられなかった。偶然にしては低い確率だった。プレシアにはこれが神の采配であるように思えた。
笑い続けるプレシア。彼女の頭の中からは既にフェイトのことなど抜け落ちており、ただただ復活したアリシアと取り戻すべき時間のみが空想されるのだった。
◇ ◇ ◇
高町なのはの手の中に収まっていたプラスチックの白い箸がバキッという音を立てて真っ二つに割れた。
「……なに……これ」
なのははサーチャーから送られてくる翔太の姿を見て思わず呟いた。
時刻はお昼時。なのははお昼は周りで友人と一緒に食べているクラスメイトが羨ましくて、諦めたなのはには手が届かないものを見せ付けられているようで、悔しくて、だから、教室でお昼を食べることはなく、いつも人気のない場所で一人でお昼を食べていた。今日は校舎裏の日陰になっている場所でお昼を食べていた。
ご飯を食べるとき、なのはいつも翔太のことを考えている。今はどんなお昼をたべているのだろうか。今日の放課後はどんな話をしようか。翔太はどんな話をしてくれるだろうか。翔太に関連する色々なことだ。
「あ」
その最中、なのはは不意に思いついた。思いついてしまった。それはある記憶を基にして思いついたことだった。つまり、あのバケモノの家を覗いたときのことだ。あの時、なのはは翔太にばれることなく翔太の様子を伺うことができた。ならば、今も同じことができるんじゃないだろうか。翔太と一緒にご飯を食べることはできない。だが、サーチャーで翔太の顔を見ながら食べることはできるだろう。気分だけでも翔太と一緒なのは実に楽しいことだと思った。
だが、サーチャーが映し出した光景は、思いもよらない光景だった。あろうことか、翔太と一緒にお昼を食べていたのは、バケモノと自称親友の二人。しかも、バケモノは血を吸っておきながら甘えるように翔太の方に身体を寄せ、しかも、手ずから自分のお弁当のおかずを食べさせようとしている。
その光景にどうして、自分はそこにいないのか、という悔しさとそんなことができるバケモノを羨ましいという思いが重なり、歯がゆく思っていると思わず力を入れすぎたのかつい箸を真っ二つにしてしまった。
―――バケモノなのにショウくんに近づかないでよっ!!
だが、心の叫びはサーチャーを通して聞こえることはない。それどころかなのはに見せ付けるように猫のように身体を近づけお弁当を食べていた。見れば見るほどに悔しさと羨ましさをが募り、ポツンポツンとどす黒いな何かが蛇口
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ