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リリカルってなんですか?
無印編
第十八話 裏 中 (アリサ、すずか、恭也)
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思う。契約というのは秘密を漏らさないためのものだろう。彼女たちの秘密が決して外部に漏らせない、漏らしてはいけないものだとすると納得できる処置ではある。

 だが、契約の話が出てきた後、忍はなぜか口をもごもごさせて、視線を恭也から逸らして、頬を赤く染めながらようやく決心したように口を開いた。

「契約はね、夜の一族の誰かと関係を結んでもらうことになるの。それで……恭也は私のことどう思ってる? ただの女友達? それとも―――」

 それとも、の後に続く言葉を問いかけるほど恭也は無粋ではないつもりだ。だが、ある種の婉曲的な告白とも言える言葉に恭也は衝撃を覚えていた。確かに忍は恭也にとって数少ない友人ではあるがそれ以上に見たことなどなかった。一緒にいて心地よいとは思うが、友人の延長線上で、異性として綺麗だと思ったことはあるが、それはあくまで恭也の男としての意見で、高町恭也として月村忍を意識したことがあるか? といわれると疑問である。

 言われて見れば、確かに同じクラスになって席が隣になってから一緒に帰ることも、どこかに行くことも多くなったような気がしたが、ちょうどその頃はなのはのこともあり、あまり外に目が行っていなかったこともある。事実、休日に誘われてもなのはの方を優先させていたのだから。

 もし、今、なのはのことがなければ、恭也は答えを出すためにしばらく時間を貰うだろう。自分が月村忍に抱いている想いは友情なのか愛情なのか。だが、今は生憎ながらジュエルシードのことがある。それ以外に目を向ける余裕があるわけでもないし、二つのことを同時にこなせるほど器用でもない。

 そして、それ以外にも彼女の最初の友人である翔太のこともある。今は順調とはいえ、いつ二人の仲がこじれるか分からない以上、彼らを見守っておきたい気持ちも強い。もしかしたら、なのはのために自分ができる何かがあるかもしれないと思うから。

 だから、時間もなくやることもある以上、高町恭也として月村忍に返せる答えはなかった。

「ねえ、何か言ってよ」

 婉曲的な告白とはいえ、何も答えが返ってこないのは不安だったのだろう。忍が瞳を不安に揺らして問いかけてきた。本当なら答えたくはなかった。恭也の答えは「答えがない」という答えで、不誠実にも思えたから。

「すまない。答えは保留でもいいだろうか?」

 それが恭也が忍に返せる精一杯だった。もっと時間があれば、余裕があれば、答えは違ったかもしれない。だが、現時点で返せる答えはそれしかなかった。

「は?」

 忍の目が点になる。当たり前だ。告白したつもりが、答えが保留だというのだから。だが、恭也は忍が伝えたくれた想いを無下にしたくなかった。自分の中にある想いと向き合いたかった。だが、それには時間が足りない。だからこそ
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