無印編
第十八話 裏 中 (アリサ、すずか、恭也)
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からの予定である。つまり、今のすずかは戦闘になった場合、足手まといでしかない、といわれたため、大人しく帰宅したのである。
―――ショウくん、大丈夫かな?
昨日、そういえば、翔太は自分を魔法使いと呼んでいた。魔法が使えるなら大丈夫だと思うが、それでも心配だった。翔太はすずかの秘密を知っても友人関係を続けてくれる唯一の友人なのだから心配しないはずがない。だが、心配する以外にすずかができることはない。だから、考えてみた、何かできないか、と。
しかし、そう簡単に思いつくはずもなく、考えた末にすずかは、メイドのファリンとノエルに相談することにした。そこで、年長のメイドであるノエルが提案してくれたのだ。彼女の中でもそれはグッドアイディアと思えるようなものを。
「そうですね。でしたら、手料理などどうでしょうか?」
「お料理?」
「はい、すずかお嬢様の手料理を蔵元様に食べていただくのです」
なるほど、確かにそれは言い考えだ。だが、それを実行するには一つだけ大きな問題があった。
「私、お料理作ったことない」
確かにノエルの案のお弁当の中に自分の手料理を入れることはいいアイディアだと思った。食べさせあいっこを拒否した翔太だったが、自分で作った料理ならもしかしたら了解してもらえるかもしれない。それに、自分で作ってもらったものを食べてもらうのは嬉しいことだ。少なくともファリンもノエルもそういっている。だから、自分もそれを感じたくて、翔太に自分の作ったものを食べてもらいたくて、ノエルの案を呑んだのだ。
だが、作れないからといって諦められないすずかは、ノエルとファリンに料理を教えてもらうことにしたのだ。
―――ショウくん、食べてくれるかな?
自分の手料理を食べてもらえる光景を想像しながらすずかは、今日よりも翔太ともっと仲良くなれることを願うのだった。
◇ ◇ ◇
高町恭也は、目の前の友人である月村忍が告げた事実に驚きを隠せずにいた。
「本当なのか?」
「嘘言ってどうするのよ」
確かに、と恭也は思ってしまう。この場で嘘が言える状況ではないだろう。しかも、自分が吸血鬼であるなどという傍目から見てみれば妄言にしか聞こえない事実を。
恭也が忍に話させたのは、昨日の翔太を半ば有無を言わせず月村家へ連れて行った理由だ。理由もなく忍が翔太を拉致に近い形で連れて行ったとは思いたくなかった。こんな自分に友人でいてくれる人なのだから。しかし、それでも中途半端に済ませるつもりもなかった。
蔵元翔太は、恭也たちがずっと思い悩んでいたなのはの最初の友達だ。恭也も翔太の性格も行動も気に入っているし、彼が大切な妹の最初の友人でよかったと思う。ただ、最近、な
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