無印編
第十八話
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以上、ユーノくんたち側の世界の人間であることは間違いない。ならば、アジトがあるが、暮らしにくい地球よりも、元の世界のほうが暮らしやすいのかもしれない。
選択肢がもう一つ増えた。だが、こればかりは、フェイトちゃんが起きなければ話にならないだろう。
とりあえず、話し合いはそれで一段落ついた。後はフェイトちゃんが起きなければ、何も始まらないということで、今日のところは、ノエルさんがフェイトちゃんの治療を終えたら帰るそうだ。帰りはタクシーを呼ぶらしく、恭也さんとなのはちゃんも同乗して帰ることにしたようだ。
さて、話し合いが一段落ついてから、僕たちが適当な雑談に花を咲かせていた頃、不意にリビングへ繋がる扉が開いて、ノエルさんが顔を出した。
「アルフ様、蔵元様、フェイト様が目を覚まされましたので、お二人だけよろしいでしょうか?」
フェイトちゃんが目を覚ましたらしい。しかし、二人だけとはどういうことだろうか? その答えは、僕がフェイトちゃんが治療されている部屋に行くとすぐに分かった。アルフさんはノエルさんの言葉を聞くとすぐに飛び出していた。場所が分からないだろうと思っていたのだが、彼女の獣耳が示すようにイヌ科の動物が元らしい。僕に案内されるまでもなくフェイトちゃんが治療されている部屋へと駆け込んでいた。
フェイトちゃんが治療されている部屋は客間として使われている部屋であり、親戚がきたときに使われている。布団もあるし、丁度良いだろということで使われている。
僕がノエルさんより一歩前を歩き、部屋に向かったのだが、入り口でなぜかアルフさんが立ち止まっていた。
「どうかしましたか? アルフさん」
答えがなかったので、僕はアルフさんの横から部屋に入る。そこで見た光景は、寝るために解かれたのかツインテールだった金髪を流した僕と同じぐらいの女の子が傍らに座っていた母さんのお腹に顔をうずめ、甘えるような声で「母さん」と口にしている光景だった。
秋人が生まれる前ぐらいから髪を伸ばし始め、今ではロングと呼べるほどの髪になった母さんは、どういうこと? と困惑した様子だということが一目で分かる。無理もない話しだ。目を覚ました少女にいきなり母さんと甘えられるのでは意味が分からないのも無理はない。なるほど、これで僕とアルフさんだけが呼ばれたのか理解した。
「……フェイト、なにやってるんだい?」
ようやく正気に戻ったのか、アルフさんが心底分からないといった様子で搾り出すように声を出す。おそらく、彼女もフェイトちゃんのこういう光景を見るのを初めてだったのだろう。
だが、僕たちの予想に反して、フェイトちゃんの反応は激しいものだった。
アルフさんの口からフェイト、という名前を聞くと、ビクンっ! と肩を震
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