無印編
第十八話
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に歯切れの悪そうに言うアルフさん。もしかしたら、母親から捨てられるように追い出されたのは、彼女たちにとっても予想外だったのかもしれない。だから、これからのことなんて考えていなかった。まずは、地球のアジトに戻ること。それを最優先していたようだ。
だが、もしも、この先、地球で暮らすとすると、それは非常に甘い考えだといわざるを得ない。
「それで、仮にこのままこの街に住むとして……お金は? 学校は? 住所は?」
アルフさんは、忍さんの矢継ぎ早な質問に頭の上にクエッションマークを浮かべていた。
しかし、忍さんの言うことも最もなことだ。このまま彼女たちが住むには障害が多い。
まずは、お金。これがなければ生活はできまい。しかし、彼女たちは魔導士なので、盗みなんかも簡単にできてしまうかもしれない。次に、学校や住民票等の問題。フェイトちゃんが僕たちと同じ年齢だとすると学校に行っていないのは、まずい。確実に補導対象になる。しかし、そうなると、戸籍も住民票もないフェイトちゃんは不法滞在者と同じ扱いになるだろう。しかし、強制送還もなにも帰る国がないのだからさらに問題だ。とにかく、このまま生活するとしても、問題は山積みだった。
「そこで、提案なんだけど……あなたたち私たちに保護されない?」
忍さんが言っている意味が分からないのか、アルフさんは小首をかしげていた。それを見て、仕方ないといった感じで忍さんは続ける。
「あのね、あなたたちをこのまま解放したとして、暮らしていけなくなったときに魔法を使って悪さをされたら、私たちのところにも責任が来ちゃうの。だから、保護って名目で監視下においたほうがいいわけよ。もちろん、一般家庭並みの生活は保障するわ。どう?」
忍さんの提案を受けてう〜ん、と腕を組んで考えるアルフさん。まあ、当然だろう。今まで敵対していた組織が保護という名目で世話をするといわれてすぐに飛び込むとも思えない。罠の可能性だってあるし、今以上に汚い仕事をやらされる可能性だってあるのだから。
結局、アルフさんが答えを出せなかった。フェイトちゃんと話をさせてほしいらしい。確かに、よくよく考えるとアルフさんは、使い魔で主はフェイトちゃんなのだ。使い魔であるアルフさんが勝手に決めるというわけにはいかないのだろう。
「ちょっと待ってください」
「え? なに? ユーノくん」
今まで発言しなかったユーノくんが短い手を上げる。
「あなたたちは、管理世界の人間ですよね? ここに住むつもりなら時空管理局の許可を得ないとダメなんですが……。それよりも、管理世界で暮らしたほうがいいんじゃないですか? 魔導師なら引く手あまたでしょうし」
ここで、さらに選択肢が広がった。なるほど、確かに彼女たちが魔導師である
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