無印編
第十八話
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れよりも、恭也さんが興味なさげな表情をしながらもこちらを気にしていたのにこっそりと笑えた。忍さんとノエルさんは微笑ましい笑みで見てくれるので逆に恥ずかしかったが。
さて、お昼を食べた僕たちは、またジュエルシード捜索を再開したのだが、問題が発生したのは、お昼と夕方の境目のような時間帯だった。午前中は太陽が燦々と輝いていたのだが、お昼を過ぎた辺りから急に曇り、ついに懸念していた雨が降ってきたからだ。
今日の天気は晴れだと思ったし、なにより、午前中は晴れていたため誰も傘を持っていなかった。
近くにコンビニでもあればよかったのだろうが、今日は海鳴の中心街から離れた住宅街を中心に探していたため、近くにコンビニはなかった。一番近い店でも十分程度の時間が必要だ。だが、それならば十五分ほど走れば僕の家があった。僕の家に行けば、シャワーや乾燥機もある。それならば、と僕たちは蔵元家へと足を向けることにした。
僕とユーノくんはノエルさんに、なのはちゃんは恭也さんに背負われて、住宅街を風のように駆け抜ける。いや、本当に風のように駆け抜けているのだから恐ろしい。まるで車の中に乗っているように目まぐるしく変わる周りの風景。この人達が、吸血鬼、機械人形、剣術家と普通とは一線を画した人間だと僕は改めて実感した。しかし、この速度では、僕の家までは、僕の足で走って十五分だったのだが、このスピードなら五分もしないで到着してしまうかもしれない。
まあ、その分、濡れないから遅いよりもずっといい、そう思っていたときだった。曲がり角を曲がった先であまり出会いたくなかった人物を目に入れてしまったのは。
最初に気づいたのは恭也さん。僕の家を知っているために先頭を走っていたため、彼女たちを目に入れるのも最初だったわけだ。恭也さんが止まったことに気づいて、忍さんとノエルさんも足を止める。そして、僕はノエルさんの背中から降り、改めて彼女たちを目に入れた。獣耳と豊満な身体を持った女性が一人の少女を背負い、雨に打たれながらのろのろと歩いている光景を。
「ショウくん……」
「うん」
獣耳を持った女性と背負われている少女には見覚えがある。忘れるには印象が強すぎる。なぜなら、彼女たちはジュエルシードを狙って、僕たちを襲ってきたのだから。しかし、なんというか、あの時とは違って覇気がないようなきがする。背負われている少女は、意識がないようだし、なにより着ている服もボロボロだ。そして、背負っている女性は服はまともだが、ペタンと垂れた獣耳と力が入っていない歩き方といい、先日の襲ってきたときは様子がまったく違った。
しかし、それが罠じゃないと誰も言いきれない。彼女たちが襲ってきた事実が消えることはない。だから、恭也さんが小太刀に手をかけるのも、なのはちゃんが
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