無印編
第十八話
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を突っ込むのは危険なので特に何も聞かなかった。もっとも、二人の様子から鑑みるにあまり恋人という雰囲気を醸し出していなかったから、忍さんが振られたか、告白しなかったかのどちらかだろう。二人が気まずい雰囲気でもなかったことを考えると後者の可能性が高いと僕は思っている。
忍さんたちが仲間に加わったこと以外、特に変わったことはなかった。護衛に忍さんとノエルさんが増えたぐらいだろう。これで、ノエルさんが仕事服―――メイド服だったら相当目立っただろうが、きちんと私服だったので注目度も変わらなかった。
しかしながら、最初は僕となのはちゃん、ユーノくんの三人だったのが、今では知り合いなどをあわせると二桁に登る人数が手伝っているのだからずいぶんと大事になってしまったと思う。最初は、ジュエルシードが大変なものだから、とりあえず、なんとかできるならなんとかしよう、という軽い気持ちだったのに。月村家のような夜の一族という裏の世界にまで半分足を突っ込んでしまう事態になってしまったのだから。
ジュエルシードが全部集まって、いや、そのまえに時空管理局が来れば、前と同じ生活に戻れると気楽に考えていたが、今ではもうそれは叶わない夢なんじゃないか、と思う。できるだけ前と同じになればいいな、と思う。
その日の晩、さくらさんが言っていたお詫びの品が届いた。最高級のレバーだった。ノエルさんという料理人つきで。これは、血を回復しろ、という意味なのだろう。うん、まさか、血を回復してまた吸わせてという暗喩ではないことを願うばかりである。
◇ ◇ ◇
忍さんとノエルさんがジュエルシード捜索隊に参加した次の日。今日は休日だ。だがしかし、ジュエルシードを捜索するのに休みはない。しかも、平日なら放課後が主になり、二、三時間がせいぜいだが、休日なら一日中探せるのだから。そんなわけで今日も母さんが作ってくれたお弁当を持って、捜索隊は海鳴の街を歩き回る。
だが、もうすぐ一ヶ月近く探しているのだ。それで集まったジュエルシードは七個。月村家に預けてあるジュエルシードを合わせると八個となる。
実は、月村家のジュエルシードは忍さんたちに預けたままだ。なんでも、自分たちの縄張りに落ちてきたものを対価もなしに渡せないらしい。これが個人と組織の違いなのだろうか? と思うが、きちんとなのはちゃんの魔力並で、封印されている以上、滅多なことでは発動しないとユーノくんのお墨付きを貰ったので、ならば、と預けている。
そんな風に探し続けた休日。お昼には、なぜかなのはちゃんが昨日のすずかちゃんのように自分のお弁当の中身を食べさせようとしてきたが、恭也さんが見ている目の前でそんなことができるわけもなく、丁重に断わった。なのはちゃんは最後まで残念そうだったが。そ
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