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リリカルってなんですか?
無印編
第十七話 裏 (すずか、なのは、忍)
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定さに拍車をかけたのかもしれない。

 もろもろの理由が考えられるが、原因追求をやっている時間はない。クラスメイトに夜の一族のことがばれたのだ。夜の一族としては一大事だ。なにせ、ここから事実が漏れていけば、一族存亡の危機にさえ陥ってしまうのだから。

 ―――さて、どうしたものかしらね。

 忍は考えをめぐらせる。相手はすずかの同級生。つまり、小学生だ。これが普通の小学生であれば、すぐさま確保して魔眼で記憶を操作して、家族に仕事と引越し代金もろもろを渡してあっさりと解決するはずだった。だが、相手は蔵元翔太。現在、月村家がマークしている小学生で、昨日の侵入者と関係があるであろうと見受けられている人物。簡単に記憶を消しておしまい、とはならない。

 ―――はあ、本当、ややこしい。

 本当ならもっと穏便にことは運ぶはずだったのに。妹の暴走のせいで、事態が急展開だ。もっとも、その原因を作ったのもある点から鑑みれば自分なのだから、自業自得とも言えるかもしれないが。

 とりあえず―――この件に関して少し関わっている綺堂さくらに連絡しようと忍はソファーから立ち上がった。



  ◇  ◇  ◇



 高町なのはは自分の部屋で突然降ってきた事実に驚愕していた。

 事の始まりは、今日の夕方、先日の屋敷のメイドが翔太をつれて帰ったことに起因している。あの場は、翔太が大丈夫というから見送ったが、その後、やはり翔太のことが気になった。
 翔太が大丈夫という以上は、その言葉を信じるべきなのだろうが、やはりメイドの強引さが目に付く。翔太も素直に仕方ないとしたがっていたことも気になる。もしかして、何か弱みでも握られ、無理矢理連れて行かれたのではないか? そういう疑念がなのはの中に生まれたのも無理はないことだ。
 だが、そんなものは何もなく本当に大丈夫だったとしたら? それは、翔太の言葉を信じなかったなのはの翔太に対する裏切りである。もしかしたら、それが原因で嫌われるかもしれない。今までの関係を壊してしまうかもしれない。
 万が一にでも翔太に嫌われるかもしれない可能性が以上、なのはが直接出向いて手を出すわけにはいかなかった。

 そこで、相談したレイジングハートが出したのは、サーチャーと呼ばれるものを放出する魔法だ。これならば、魔力をもたないあのメイドたちには見破られない上に翔太も気づけないほどの魔力で翔太の様子を見ることができる。今のなのはにとってうってつけの魔法だった。

 月村家の場所は覚えている。すぐになのははサーチャーを飛ばし、そして、先の驚愕に繋がる事実を知る。

 ―――先日に出会った少女の一人が吸血鬼というバケモノだったという事実に。

 その事実に呆然としたのも一瞬、すぐさまレイジングハートを起動
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