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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
新たな翼
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当たりを放ってきた。
 ISのブースターも込めた全速の体当たりは絶対防御があっても衝撃で息が……詰まる! 

 思わぬ攻撃に体勢を崩した私の左肩に向かって、クロエの振り上げられた爪が叩きつけられた。

「が…!」

 強烈な衝撃に思わず左手の力が抜け『マリージュラ』が零れ落ちてしまった。クロエはそのまま回転し、遠心力を加えた2撃目が迫る。
 ほぼ無意識に地面に向けて左手の『マルゴル』を射撃していた。反動で私の体が少し横にずれる。
 今までいた位置に向かって巨大な爪が振り下ろされ、アリーナの地面が弾け跳んだ。

 まだ……! ここから更に強烈な3撃目が来る! 

「え……」

 そう思って体を立て直そうとした私の目の前には巨大な灰色の塊が視界を覆っていた。
 早……すぎ! 

 ドゴォオオオオオオオオオオオン! 

 あ、あれ? 

 轟音と共に来るべき衝撃に備えて反射的に顔を庇った両手にいつまで経っても衝撃が来ないため、恐る恐る腕を下げる。
 私の右にはモウモウと砂煙を上げる巨大な爪『ワイルドクロウ』。え、外れた? 
 正面を向くとクロエも少し驚いたような顔をしていた。あれ、わざと外したわけじゃないみたいだけど……

「なあカルラ! 今どうやった!」

「え? え!?」

 思考状態に入っていたところにいきなり両肩をクロエに掴まれました。
 いや揺すらないでください! さっき受けた左肩が痛いです! 

「今本気で振り下ろしたのにお前の体横に移動したんだぞ!」

 クロエはそんなことお構い無しに物凄い興奮していてすごい笑顔……うわー、これは変なスイッチ入っちゃったかも……
 結構聞き捨てなら無い言葉もあった気もしますけどね。

「えーっと……私は特に何もしてないんですけど……」

「とすると今のが例の第3世代兵器か!? すごい! もっかいやろう!」

「え、うえええ!? 」

 そう言ってクロエは再び距離を取る……ちょちょちょちょ! 

「ま、待った待った!」

「えー、何だよ? トイレかなんかなのか?」

「そうじゃなくて……」

 そもそも今発動したかもしれませんけど私何もしたつもりもありませんし、偶然使えたものならそんな賭け目当てにやってほしくないんですけど。不確定要素多いですし。

「じゃあいいんだな。よしやろう」

「いやだから……」

「ああもう! つべこべ言うな! 決着つけんだよ!」

 ぶっちゃけた……ぶっちゃけちゃったよクロエ。今の内容だけ見るなら100人中99人が私の負けだって言いますよ。1人は多分父さんだから私の勝ちって言うけど……そういう意味で言ったら100人中100人か。

「よし行く……あ?」

―最優先メ
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