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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
新たな翼
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おおおお! 」

 引きつけながら左手の爪の先端を全て全面一点に集中した突きを放とうとしている。
 もう模擬戦で放つ言葉じゃない気がするんですけどこっちも……

「そう、簡単に!」

 爪の先端を『マリージュラ』でギリギリ反らし、返す刀で振るう。その瞬間に『ユルルングル』で零距離まで引き付けられることでタイミングをずらされて切っ先が空を切った。
 そしてクロエは弾かれた左手を私を抱きしめるように後ろに回して……

「おらぁ!」

「な!」

 まさかのISで頭突きを放ってきました。絶対防御と保護フィールドがあるので痛くないですけど衝撃で頭が後ろに飛ばされる。隙が出来た私の体ごとクロエが右手で振り回し、『ユルルングル』を伸ばすことで私の身体はそのまま地面に叩きつけられた。

「げほ……!」

 背中に襲い掛かった衝撃で私の肺から全ての空気が漏れる。激しく息を求める身体を黙らせて左手の『マリージュラ』を振るって未だに腹部に絡み付いている『ユルルングル』の拘束を断ち切り、その場を瞬時に離れる。
 今まで私のいたところにクロエが全体重を掛けた踏み付けが炸裂して、猛烈な砂埃を巻き上げた。

「ち、惜しい」

「め、滅茶苦茶しますね相変わらず!」

「実戦と同じでやらないと意味ないだろ? それよりカルラ。なんか接近戦ばっかり上手くなってないか?」

「う……」

 さ、流石に良く見てますね。クロエの装備なら『ハディント』じゃなくて散弾銃の『エスペランス』の方があってますし、何より『マルゴル』を使えなかったことも見切られてます。
 IS学園に行って一夏さんや箒さんの影響受けすぎましたかね。鈴さんもどちらかというと接近戦主体ですし……やっぱり少し偏りが多かったのかも。

「まあ前衛担当の私としてはそれは面白いけどね」

「は、はあ」

 クロエはニヤニヤ笑いながら爪をガチャガチャと鳴らしています。
 いや、だから止めてください。本当に怖いんですってば。

「さあ、次行くよ!」

「は、はい!」

 そう言った瞬間にクロエが疾走を開始し、まっすぐこちらに突っ込んでくる。左手の爪が再び一点に集中し貫通体勢に移行するのを見て私は右手の『ハディント』を戻して両手で『マリージュラ』を右腰に下段で構えた。
 動きを読むも何も無い。先端だけを見据えて……柄で返す! 

「だりゃああ!」

 剣を振るのではなく爪の先端を柄で弾き上げ、甲高い音と共に爪の軌道が私から逸れて頬のギリギリのところを通過した。
 振り切った左手を返し、右手で柄の先端を握る。返す刀で袈裟切り! 

「甘い!」

 『マリージュラ』が振り切られる前にクロエが弾かれた左手をそのまま自分の首周りに持っていき、肩口から体
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