新たな翼
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
う判断なんでしょうか?
「当たり前だろ。ほら、さっさとアリーナ行こう」
「わ、引っ張らないで下さい!」
「いいからいいから」
ダーウィン空軍基地。
オーストラリア最北端に位置した空軍基地で本国ではアジア圏に最も近いため、オーストラリアの中でも優秀なIS操縦者や最新鋭試作機が配備されていた前線基地です。滑走路の横には巨大なドーム状の建物、軍事衛星対策も施されたオーストラリア内で最大のアリーナも作られています。
そういう場所だから、設立当初は最大のIS稼動実験場だったのですが、赤道連合の体制が安定してからはアジア圏の最前線が移動したためにほとんど利用することもなくなり、今では豪州でもかなり軍縮された基地のひとつです。
まあそういう訳で誰かに見られないで模擬戦を行うには丁度いいということなのでしょう。
実際にISのセンサーに他の機体の反応もありません。情勢不安のこの状況で他の国に出張っていたり警戒に出ていたりしているみたいです。
本当なら基地司令にもちゃんと挨拶しないといけないんですけど秘密裏のせいでそのままアリーナの更衣室へ。
「うん、やっぱりここは広いなあ」
「何度来てもそう思ってしまいますよね」
アリーナに出てから言ったクロエの言葉に私は軽くそう返す。IS学園のものよりももう少しだけ大きい感じですかね。
大きさは国際条約によって定められていますから、それに触れるか触れないかギリギリの線。
世界大会のアリーナが基準なんですから大きいのが当然と言えば当然なんですけど、空が見える分ジャクソン社のものよりはどうしても開放感が違います。
「ま、始めようか!」
言うが早いか、クロエがISを展開させる。
オーストラリア第2世代正式採用型IS『デザート・ウルフ』。見た目は前に私の使っていた『デザート・ホーク・カスタム』と同じで、色は下からサンドブラウン、上へ行くと共に徐々に灰色になるグラデーション。そして最も特徴的なのが……
「相変わらずその武装なんですね」
「んー? まあね。これが一番使いやすいからさ」
左手に装備された巨大な爪状の近接武装。右手には特徴的な手甲に各部にもそれぞれ見たような武装があります。
何を隠そう、クロエこそ第3世代試作型IS『デザート・ホーク』の装備実験に初期段階から携わっていた一人であり、そのノウハウは赤道連合各国の基礎となっている部分も多々あります。IS学園に通うと言う理由から『デザート・ホーク』は私に受領されましたが、そういう条件さえなければまず間違いなくクロエが受領していたはずだったのですから。
クロエが腕に装備しているのは『デザート・ホーク』に採用されていた『グレイプニェル』の手甲と、採用に至らなかった試作近接武装。多
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ