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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
新たな翼
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ラの集中したら周りが見えなくなる癖。私の散財癖と大差ないぞ?」

「う、ほっといてください」

「ま、私のも直るわけないから人のこと言えないんだけどねー。あ、ちなみにノックしたってのは嘘だよ?」

「やっぱり……」

 完全にからかわれましたね。でも入ってきたのに気づかなかったのは事実ですし少し意識してみましょうか。
 まあ今はそれよりも……
 私はベッドから立ち上がるとクロエの後ろに立ってディスプレイを覗き込む。
 そこには実戦データ無しの文字が大きく浮かび上がっています。どうしても実際に試してみないとどうしようもないところが多く出てくるんですよね。
 でも……

「机上の空論って言うのは分かってますよ。でも模擬戦できないんだからしょうがないじゃないですか」

「んー、何で?」

「何でって……事情知ってるなら分かりますよね?」

 最近の加盟国の急増で、このジャクソン社にも多くの国外の企業が下見に来ている。そんな時に仮とは言え未発表の第3世代のISの模擬戦をやってるなんて知れたら責任問題になってしまう。というより未発表を貫くなら貫くでクロエにも入らないでほしかったけど。

「あー、そうそう。それについてはアイシャさんから私に来た伝言だけどね?」

「え? 母さんから?」

「うん、『カルラの助けになってやってくれ』ってさ」

「そう……ですか」

 それに付き合ってくれるクロエもクロエですよ。私の周りにはお節介が多いんですから。

「ま、詳しいことは立場上言えないんだろうけどさ、早い話が模擬戦に付き合ってやれってことだよ」

「それは嬉しいけど……どこで?」

 ジャクソン社には訓練用のアリーナが一つあるけど、こんな時期だし見学者がいない訳はないんですよね……なるべく見られたくないんですけど。

「それについても指示受けてるよ。今から一週間ダーウィン空軍基地の方にカルラの身柄を移せってさ」

 え?

「いつ?」

「だから今から……」

「え……」

 え? ええ? 

「ええええええええええ―――――――――――!!!!!!」


――――――――――――――――――――――


「ほ、本当に来ちゃった……」


 私とクロエはジャクソン社に配備されている『UH-60 ブラックホーク』でダーウィン空軍基地に降り立った、って本当に来ちゃいましたよ。いいんですかねこれ。
 名目上は本社に謹慎中の人物を置くわけには行かないからその移動とIS操縦者による護送。なので別段本社の人や他の人には怪しまれることなく移動できました。
 でも護送だって言うなら怪しまれないためにせめて迎えは用意しておいてほしかったですね。IS操縦者がいれば大丈夫って言
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