『砂漠の嵐』
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ー兵器でしたね。まあ福音のほうは零距離で爆発させてたりしましたけど……
母さんは苦笑いしながらディスプレイを閉じるとこちらに向き直って言う。
「ま、性能は実戦で試した方が早いでしょう。それにまだ発表はしてないし、あと3年はする予定も無い」
「え?」
「だからこそ貴方にこの機体を託すの。3年間」
「え、ええ!?」
え、っとそれって……IS学園に勝手に持っていけってことですか!? しかも未発表にするって……
どうして……
「ま、一週間の謹慎は貴方へのケジメもあるけどどっちかって言うとこっちの調整の意味合いの方が大きかったのよね。貴方のもって帰ってきたデータも何とか役に立てることが出来た。これもあの人のお陰かしら」
「あの人って……」
「ゼヴィアよ。あの人ったら……忙しいくせに貴方のことになると見境無いんだから」
「あ……ははは…変わらないなあ」
徹夜で作業している父さんの姿が容易に思い浮かべられて思わず苦笑いしてしまいます。
どうせまた寝てないんだろうな。後で会えたらちゃんとお礼言うんだけど、会えないかなあ。言ったら言ったで調子乗って頑張りすぎそうだからちょっと自重した方がいいかも……
「それから貴方の受けた福音に対する命令。あれは本国から出されたものではないわ」
「やっぱり……」
「あら、予想はしてたのね」
「まあ、父さ……ゼヴィア局員の言動から見て大体の予想は」
「正体不明、ルーツも不明だけどその当時本国ではまだ協議中だった。そんな段階で命令を出す馬鹿はいないわ。ま、それでも貴方にはその偽の命令書に踊らされたって言う罪が掛かるわけだけど」
ですよね。無罪になるとは思っていませんでしたし……あれ? でもこの先3年間託すって……あれ?
「一旦問題を起こした以上、貴方にはこの国にいる限りある程度の制限が設けられる。そんな人に新型を渡すなんて誰も考えないでしょう」
私の考えを読んだ母さんが先に答えを教えてくれた。
しかも今現在、私の行動のせいで赤道連合全体のIS開発にストップが掛かってる状態というのはクロエから聞いている。未だにあのパッケージ『ディープ・ブルー』の問題で揉めているところに第3世代の正式採用型なんて発表できるわけが無い。そんなことをすればまた余計な波風を立てる。そんなことしている余裕は今の赤道連合にはどこにもない。
そこで私に預けることで名目上は第3世代を開発中ということに出来る。いくらIS学園の中から情報が漏れようとそれは学園外からでは確認できない。つまりIS学園の中で起こったことを抗議しようものならそれはその国が条約違反ということになる。
ラウラさんの場合は公式試合+VTシステム自体が条約違反なので問題にはな
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