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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
帰国
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ストラリアの代表候補生だよ?」

「命令……?」

 え、なんでそこで首を傾げるの?

「うん、『デザート・ホーク・カスタム』に個人秘匿通信で本国からそういう命令が………」

「何?」

「う、うん。母さんのところに置いてきちゃったからあっちのログには残ってると思……」

「すまん! 少し外すぞ!」

「え!? と、父さん!?」

 私の言葉を聞いた父さんが物凄い速度で部屋を飛び出していってしまった。
 え、一体何が……そもそもISに関しての命令は本国からジャクソン社の通信部を通して送られるはずだから本社の人なら知ってないはずは無いし、間接的に外交問題にも直面する内容だったから父さんが知らないはずはないんだけど……
 その父さんが知らない?
 おかしい………

 もし、もしもあの命令が本国の名を語って出された偽の命令だとしたら……私はまんまとそれに嵌ったことになる。
 となれば当然私への罰はもっと重いものとなる。

 でもでも! あの命令はちゃんと本国のものだったしあの後確認したISの通信履歴にも残ってる! 認識もちゃんと通ったし暗号も全部本国のものだった。偽物なんてはず、ない!

 じゃあ何で? 何で父さんが知らなかったの?

 後から後から疑問が沸いてきてしまう。そ
 私の中で仮説が成り立っていく。どれも確もそも何故『銀の福音』は暴走したのか。それ以前に何故私達が臨海学校の時に暴走したのか。それ以前に何故合同開発の時期と私達の臨海学校の時期が重なったのか……証は全く無いけど……ある人が、あの人だけがそれを可能とする技術を持ってる。

「篠ノ之……束……?」

 私の口から搾り出された言葉は、今までの事象全てに説明がつく。2国間合同のIS開発の時期を操作し、ISを暴走させることも開発者のあの人なら可能でしょう。そして臨海学校で見たあの技術を持ってすればどこの国のメインコンピュータにも入り込んで偽造の命令を出すことも可能……のはず。

「あーあ〜」

 大きく息を吐いてベッドに倒れこむ。
 所詮私の中の仮説でしかないですし、証拠も無い。仮に全て束博士のお膳立てだったとしても実際に動いたのは私。
 実際私が動いても動かなくても状況に変化は無かったでしょう。でも動いた。それは間違いなく私の意志。ということは原因がどうあれ、やっぱり責任の一端は私にあるということですからね。

「おーい! 買ってきたぞ!」

 丁度考えが終わったところにクロエがミートパイの入った袋を下げて入ってきた。ほら、やっぱりノックなんかしない。

「クロエ、ノック」

「細かいこと気にするな」

「細かくないですってば」

「禿げるぞ」

「禿げません!」

 そろそろ本気で怒るよ!
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