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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
帰国
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「あう…」

 的確な嫌味を言われて私は返す言葉もありません。

「でもま、言うほどでもないか。あの束博士の新型『紅椿』の映像データにアメリカの『銀の福音』の戦闘データはこれからの赤道連合ISの発展に非常に役に立つわ。パッケージ2つ潰した価値はあったというものね。お疲れ様」

「は、はあ。ありがとうございます」

 そう言って母さんが微笑んでくる。この人は色んな意味で人の扱いが上手い。子供の私ですらその笑みに少しドキッとすることもあります。

「出来ればその織斑一夏と篠ノ之箒に会いたかったけど……そこまで贅沢は言えないわね。どちらも代表候補生でもないのに専用機を持っている段階で問題なのに、特定の国が招いたなんて知られたら国際問題に成りかねないし」

 母さんが呟くように言っているのが聞こえる。まああの2人は誘ってもどこかの所属になるとかは今の段階では言わなさそうですけどね。

「そうそう、ニュースで知ってるかもしれないけど、赤道連合の加盟国が増えたわ」

「え、ええ。それは一応……」

 私が頷くのを見ると母さんが投影型のディスプレイを弄って私に画面を見せて説明を始めた。

「オセアニア州に属するほとんどの群島諸国、今まで参加を拒んでいたシンガポール、中国と国境を接していて参加できなかったラオス、カンボジア、ベトナムも参加を表明したわ」

「そ、そんなに!?」

 私の言葉に母が少し呆れたように言葉を続けてくれる。

「ISは1国じゃどうしようもないのよ。EUでさえ『イグニッション・プラン』を組んで技術面で手を組んでいるし、例外なのはアメリカや中国、ロシアと言った大国くらい。ここら辺のような島国やアフリカの様な小国の集まりはもう連合でも組まないと技術も数でも他国に負けてしまうから、って感じかしらね」

 ディスプレイの世界地図を回転させていた母さんがそれを止めて日本をタッチする。すると一夏さんと箒さんのデータが映し出される。当然その横には『白式』と『紅椿』がある。そこから更にフォルダを開いて福音戦の映像データを映し出す。私が持って帰ってきたISのデータ。映し出されているのは『銀の福音』ではなく『白式』と『紅椿』だ。

「その上あの篠ノ之博士お手製の第4世代の登場。彼らも気づいたのよ。一人で意地張っている場合じゃないってね」

 それだけ言うと画面を閉じてため息をつきながら、隣にあった辞書ほどある紙の束を引き寄せる。

「ま、でも当面の問題は……こっち」

 その紙の束を私に投げてきた。見ろってことらしい。
 一番上の白紙を捲って内容を確認……ってこれ!
 私の反応を見てから母さんが言葉を発する。

「見て分かる通りこの赤道連合にも抗議が来てる。非公開とは言え、貴方が全世界に晒し
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