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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
壊れゆく世界◆ユイ――MHCP001
第三十七話 シンカー救出作戦
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「なんてこった……。 バレル、カノン、転移結晶をボスの向こう側、シンカーの安全地帯まで投げられるか?」
「恐らく可能です」
「よし、投げ渡せ。他のものはすぐに離脱しろ!」
 バレルとカノンの二人が転移結晶を『シングルシュート』でシンカーの位置まで投げ飛ばした。それはボスのすぐ横を飛んでいき、シンカーがなんとかキャッチする。ボスはそれを攻撃とみなしたようで、バレルとカノンの二人に向かって鎌を構えた。
「私が奴の攻撃を受け止める! その隙に早く離脱するんだ!」
「隊長は!?」
「私はあの攻撃を一度受け、奴が硬直している隙に脱出する! 早くしろ!」
「隊長……! どうかご無事で!!」
 ガイズ、バレル、バレットの三人が青い光の柱に包まれ、コーバッツが取り残された。コーバッツは盾を構え、ボスの攻撃を待ち受ける。
 ボスの鎌が唸り、下からの刈り上げが放たれた。盾に凄まじい衝撃が走り、コーバッツの身体が浮き上がる。何が起こったのかよく分からないうちに、凄まじい衝撃と共に彼は床に叩きつけられた。
 HPゲージがレッドに染まっている。コーバッツは急いで盾を杖代わりに立ち上がると、自分が安全地帯の中にいることに気づいて愕然とした。どうやらあのボスはコーバッツを下からすくい上げ、頭上まで持ち上げた後後方に投げ飛ばしたらしい。もし投げ飛ばされた先が安全地帯でなければ、彼は落下ダメージを適用され、HPを全損していたに違いない。
「コーバッツさん……! よく無事で!」
「ああ、さすがに今のは助からないと思った。久しぶりだな、シンカー。街開き以来か?」
「そうですね。まさか再会する場所がこんなダンジョンの奥深くだとは思っても見なかったけれど」
「同感だ。……しかし、今のボスは一体?」
「確認はとれないですが、今のは恐らくラスボス。第百層で我々を待ち受けるはずのモンスターだと思われます。事前にウェブで公開されていたシルエットと全く同じ形でした」
「なんてことだ! 一体なぜ、こんな場所にラスボスがおるのだ……訳がわからない」
「それは私も同感です。まるでこの部屋に誰も入れないように守っているかのようです。あの十字路から動こうとしませんから」
「この部屋に……?」
 そう言われて初めて、コーバッツはあたりを見回した。正方形の部屋。で妙に白い光を放つ壁。そして部屋の中央には、意味ありげな直方体の黒い石が置いてある。
「この石が何か重要なものなのだろうか?」
「きっとそうなんでしょうね。ラスボスをこんなところに配置できるのはそれこそ茅場晶彦だけです。きっと誰にも知られたくない秘密が隠されているのでしょう」
「ふうむ……特別なものには見えんが……」
「そうですね。とりあえず、街に戻りませんか? お腹が減ってしまいまして……」
「そうだな。回廊結晶を持
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