無印編
第十五話 裏 後 (アリサ、恭也、すずか、忍)
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らは教えてくれた。その場合は、彼女も人狼族として応援に来てくれるようだ。
もっとも、現段階では何も調べがついていないため、さくらが応援に来てくれることはないようだが。
彼女の獣耳と尻尾以外で手がかりといえば、忍の前においてある猫の体内から出てきて、少女の目的とも思える蒼い宝石である。
「う〜ん、これ何なのかしら?」
一見するとただの宝石だ。だが、忍の夜の一族としての勘が、これが厄介なものであることを見抜いていた。どこか寒気がするほどに恐ろしいものだということも。だが、見ている分には、本当に蒼い宝石だ。当然、光に透かしてみても。
「お姉ちゃん、それどうしたの?」
天井の電球に蒼い宝石を透かしていると、お風呂上りなのだろう。髪の毛をしっとりと湿らせた彼女の妹であるすずかが扉の向こうからこちらを覗き、忍の手に握られている蒼い宝石に視線を注いでいた。
「ああ、これ? 拾ったのよ」
買った、では言い訳にはならないだろう。なにせ一見すると本当に宝石のように見えるのだ。そして、このサイズの宝石を買おうとすると数百万になるはずである。確かに忍の貯金を使えば、買えないこともないが、忍に宝石の趣味がないことはすずかがよく知っている。
だから、半分、本当のようなことを交えて拾った、といったのだが、忍が答えるとすずかの目の色が変わった。
「もしかしたら、それショウくんが探している宝石かも」
「ショウくんが?」
忍も翔太のことは知っていた。すずかの友達。どこか不思議な雰囲気を持った少年。からかいがいのない少年。今日、女の子と一緒にペットを探しに来ていた少年。
―――そのショウくんがこの宝石を捜してる?
そこまで考えて、忍は不可思議な違和感に気づいた。
この宝石を手に入れたのは襲撃者が来て、宝石を狙ってきていたから。そして、翔太たちが着たのはその直後。ペットが庭に逃げたからという理由だった。しかも、すずかの話によると彼らはこの宝石を捜しているようである。もちろん、翔太が探している宝石とは違う可能性もある。
だが、襲撃者が来た直後に訪ねてきた翔太たち。偶然と片付けるにはあまりに出来すぎた偶然。むしろ、宝石を捜しにきた。ペットはその理由付けという形のほうが納得できる。どうやって、彼らがこの宝石のことを知ったかは別としてだ。
とりあえず、なにやら興奮気味のすずかにこの宝石のことは翔太に伏せているように言った。もしかしたら、違うかもしれない。こんな宝石なら、捜す以外にも捜索願をだしているから、警察に届ければ彼の元に届くから、と半ば言い聞かせて。言い聞かせた後は、すずかを部屋に戻らせた。
まさか、妹の友人を疑うところをすずかに見せたくなかったからだ。
「まさ
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