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リリカルってなんですか?
無印編
第十五話 裏 後 (アリサ、恭也、すずか、忍)
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で彼女に付き合っているのか。翔太が好きなサッカーで遊ぶことも、自分たちと塾に行くことも、アリサとの英会話教室も、すずかのお茶会もすべてを犠牲にして彼女に付き合っていることを。

 だが、高町なのははアリサの言葉を聞いて、少し考えた後に、口の端を吊り上げて嗤った。
 まるでアリサをバカにするように。それがどうした、といわんばかりに。翔太がすべてを犠牲にしても自分に付き合うことは当然だといわんばかりに、高町なのははアリサ・バニングスを嗤った。

 その表情が気に入らなかった。不機嫌でしかなかったアリサの表情にさらに怒りが追加された。

「なによっ! なにがそんなに可笑しいのよっ!!」

「別に」

 明らかに何か含むところがあるはずなのに、彼女はそれを否定し、クスクスと嗤う。それがさらにアリサの憤怒に拍車を掛ける。だが、その怒りはある種、怒りを一周させたとでも言うべきだろうか。アリサにある事実を思い出させると同時に冷静になるように促していた。
 そう、アリサは忘れていた。高町なのはが何を嗤っていようとも関係ないことを。翔太と交わしたたった一つの約束を。そう、たった一つの約束。

「ふん、あんたが何を考えているか分からないけど、どうでもいいわよ。どうせ―――」

 ―――どうせ、一ヶ月後には何も関係なくなるんだから。

 危うく口に出すところだった。慌てて口をふさぐ。本当は伝えてやりたい。翔太はなのはにずっと付き合うつもりはなく、後二週間後には、なのはに付き合うことを辞めるつもりだと。だが、今は伝えられない。それは翔太が伝えるべきことだから。彼女を説得するつもりである翔太だろうが、自分が先に情報を与えてしまっては、彼にどんな誤差が生まれるか分からない。

 だから、彼女はなのはに事実を教えたい欲求をぐっと堪えながら、後二週間もすれば終わりを告げることに気づかない高町なのはをニヤニヤと彼女と同じように嗤ってやるのだった。



  ◇  ◇  ◇



 アリサはお風呂から上がり、明日の準備を完璧に終えたところで、ベットにダイブした。枕元に広がるのは温泉の風景が並ぶパンフレットだ。これらは、アリサの父親が経営する会社が持つ保養地である。温泉の旅館を保養地にしていることは珍しいが、アリサの父親の会社の社員であれば、割引がある温泉だ。
 普通、バニングス家のゴールデンウィークは、海外に行くことが多かったが、今年は海外は取りやめて温泉にでもゆっくり行こうという話になっていた。そこは旅館で、多人数の宿泊が可能であり、アリサの友人を連れてきてもいいことになっていた。
 当然、彼女が誘うのは、翔太とすずかの二人だ。彼ら以外にはお泊りで連れて行けるような親しい友人はいないというかなし事実もあるのだが、それらにはアリサは目
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