無印編
第十五話 裏 後 (アリサ、恭也、すずか、忍)
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かった。それに翔太がこれに賛成したのが、決め手だった。年上と親友に賛成されては、さすがにアリサも反対はできなかった。
あの時、高町なのはが横槍を入れなければ、後一瞬でもアリサが口を開くのが早ければ、翔太の意思一つで、高町なのは抜きで翔太と一緒に帰られたはずなのに。
だが、後悔しても時既に遅し。進んでしまった時間は決して戻ることはなく、過去を変えることはできない。だから、せめての意趣返しとばかりにアリサは、車の中で翔太をこれ見よがしに独占した。
思えば、翔太とこんなにじっくりと話すことは久しぶりで話すネタが尽きることはなかった。もちろん、学校では同じクラスなのだから、話す回数はそんなに少ないとも思えない。だが、一番長く話せる放課後はすべて高町なのはに独占されてしまっているのだ。だから、本当に腰をすえて話すのは先週のお茶会以来ではないかと思う。
放課後に翔太のいない日々は少しだけ寂しかった。同じく親友のすずかとは一緒にいたのだが、隣に翔太がいない。三人だった塾の行き帰りもすずかとの二人きりだ。三から二。たった一つの減算。だが、その一つはたった二しかないことを考えれば、非常に大きなものだった。
三人という日々に慣れてしまったアリサからすれば、何か物足りない。すずかが一人いるだけで満足できないわけではないが、三人でいるということに慣れてしまっていたアリサにとって非常に物足りないものになるのは仕方ないことだった。
ああ、そう。だから、だからこそ、アリサは目の前の少女―――高町なのはが気に食わなかった。満ち足りていた日々を奪った少女だから。たった二人の親友のうちの一人を独占しているから。
だから、翔太が車を降りた後、思わず悪態をついてしまうのは仕方ないことだった。
「あ〜あ、でも、ショウも災難ね。あんたみたいなのに付き合わされるんだから」
そう、すべては高町なのはに付き合わされるのがすべての始まりだ。もしも、彼女が蒼い宝石など落とさなければ、翔太が彼女を見つけなければ、アリサはきっといつものような放課後を過ごしていたはずなのだから。
だが、なのはは、アリサの半ば嫌味のような言葉を聞いてもきょとんと呆けた顔をしていた。まるで、アリサが何を言っているのか理解できないかのような表情だった。
「どういうこと?」
彼女は理解していないのだろうか。翔太が何を犠牲にしてまでなのはに付き合っているのか。そのことが許せなくて、アリサはさらに不機嫌になることを自覚しながら、声を荒げながら、なのはに告げる。
「なに呆けているのよっ! あんたがなくした蒼い宝石を捜してショウが毎日、塾まで休んで放課後付き合ってるんでしょっ!?」
言った。言ってやった。この勘違いしている彼女に。翔太が何を犠牲にしてま
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