無印編
第十五話 裏 中 (なのは)
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持ちが半分、悔しいという気持ちが半分といった感じだろうか。一瞬、呆けた―――いや、見惚れたような表情をした翔太に対しては、怒りのようなものを抱いたが、翔太に怒りを抱くはずがないとすぐにその感情は打ち払った。
なのはは、自分が可愛らしくないことを自覚している。いや、顔の造詣で言えば、あの桃子の子供なのだから、十二分に可愛いのだろうが、問題は一切着飾っていないということである。なのはが着ているのは、少女のような可愛らしいものではない。近くの量販店で買ったようなトレーナーとスカートだ。着飾る要素など何所にもない。
―――お母さんに相談してみよう。
そういえば、桃子は去年は休みのたびに度々、買い物に行こうと誘われていたのだが、どうせ見せる人もいないし、制服だし、買ってきたもので事足りるから、と拒否してきたのだ。その付けが今来ているといっても過言ではない。もしも、桃子に誘われたときに一緒に買い物に行って、可愛らしい洋服を着ていたら、きっと翔太も褒めてくれるに違いない。
しかし、買い物ぐらいで翔太と一緒にいられる時間を削るのは勿体無いと思ったが、よくよく考えれば、一緒に買い物に行けばいいのだ。そうすれば、翔太が気に入った洋服だって選べるのだから。
なのはは、翔太が少女が着ている黒い洋服を褒めているのを見て、黒もいいのかもしれない、と思いながら、今度の休日にどうやって翔太に買い物に誘うかを考えていた。
なお、なのはが今度の休日に思いを馳せている間に翔太と忍の話し合いで森に行くことが決定しており、我に返ったなのはは慌てて翔太の後を追うのだった。
◇ ◇ ◇
結局、封印されたジュエルシードも何も見つからなかった。見つかったのは戦闘を行ったであろう跡地のみだった。なのはにとっては、ジュエルシードが見つからなかった以上、あまり興味はなかった。ただ、ジュエルシードを封印したであろう魔導師には危機感を抱いたが、今は見つからない魔導師を気にしても仕方ない。
それよりもなのはが気にするべきなのは、月村家の邸宅から出てきた先ほどの可愛い洋服を着ていた女の子とセミロング金髪を靡かせた少女の存在だ。特に金髪の少女はなのはに見覚えがあった。
そう、先週、なのはを笑い、嗤い、哂った少女である。その少女を見たとき、思わず翔太の後ろに隠れてしまった。怖かったからだ。あのときの感情を思い出してしまったから。まるで自分がいないように翔太と少女が話すのも起因しているのかもしれない。
やがて、話は後ろに隠れているなのはについてに移った。
「それよりも、あんたの後ろにいるのは誰よ?」
「ああ、彼女は、僕の友達で、話していた一緒に探している高町なのはちゃん」
翔太が金髪の少女になのはを紹介
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