無印編
第十五話
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何かの縁だから、仲良くしてくれよ」
なのはちゃんとアリサちゃん、すずかちゃんは異なるクラスだけど、別のクラスに友達がいてもおかしい話じゃないだろう。友達は多いほうが良いだろうし。もっとも、実はここにいる四人は一年生のときは同じクラスだったんだけどね。
だが、僕の意に反して、アリサちゃんは何故かなのはちゃんに鋭い視線を向けていたし、なのはちゃんもそれに反抗するかのように敵愾心のようなものをむき出しにアリサちゃんを見ていた。
え? なんで?
僕にはよくわからない。ここで仲たがいをするほど、彼女たちはお互いによく知らないはずだ。それが、ここに来て急になぜ?
だが、僕に答えを導き出せるほどの時間を彼女たちは与えてくれなかった。
「ショウ、今から帰るんでしょう? あたしも、帰るから一緒に帰りましょう」
アリサちゃんの提案を受けて、考える。確かに時間的には夕方で、日が沈みそうだ。基本的にジュエルシード探しは日が沈むまで続けられる。日が沈むと恭也さんが僕を送ってくれるのだ。だが、今日は月村家まで出てきていることを考えると、今から街まで出ると日が暮れるだろう。つまり、今からジュエルシード探しはできない。
ふむ、なら送ってもらったほうが、恭也さんたちの負担も軽くなるな。
僕がそう考え、アリサちゃんの提案に乗せてもらうと思い、口を開こうとしたとき、不意に僕の袖が引かれた。振り返ってみると、なのはちゃんが不安げな顔で、まさかの提案をしてきた。
「ねえ、ショウくん、一緒に帰ろう?」
え?
僕の頭は混乱した。アリサちゃんとなのはちゃんに一緒に帰ろうと誘われた状態だ。僕にどうしろというのだろうか。ここでどちらかを選ぶと確実に角が立つ。なのはちゃんが言う前に決断すればよかったのだろうが。
参った、とばかりに僕の心情を理解してくれているだろうすずかちゃんに視線を向けても、にっこり微笑まれるだけで、僕に救いの手を伸ばしてはくれなかった。
………一体どうしたらいいのだろうか?
◇ ◇ ◇
―――どうしてこうなった?
僕が途方にくれてから数十分後。僕はアリサちゃんの車の中に乗り込んでいた。もちろん、アリサちゃんと一緒に帰るという選択をしたわけではない。僕に救いの女神が舞い降りたのは、少しはなれたところで見ていた忍さんだった。「なら、一緒にアリサちゃんの車で帰れば良いじゃない」という一言だ。
アリサちゃんは少し渋っていたが、なんとか承諾してくれた。僕も、どちらを選ぶというわけでもなく、両者に角が立つわけでもなく万々歳だったわけだが、なぜか恭也さんが道案内をする、といって助手席に座り、後部座席が僕とアリサちゃんとなのはちゃんだけになってしまった
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