無印編
第十五話
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と知っている。だが、すずかちゃんたちはそれを知らない。ユーノくんも普通の動物だと思っているだろう。ならば、確かになのはちゃんの案は十分通用するだろう。
「うん、いい案だと思うよ。僕には思いつかなかったよ」
「えへへ」
可愛く照れ笑いを浮かべるなのはちゃん。
本当に言われて見るとすごい案のように思える。これならば、先にユーノくんが森の中にはいって捜索しても不自然ではないからだ。一人になるよりも当然早いだろう。もっとも、逆に懸念すべきことは、ジュエルシードを封印したであろう魔導師のことだが、もし遭遇したとしてもユーノくんは転送魔法が使えるらしいので先行する人物としては最適だろう。
「よし、それじゃ、ユーノくん。そういうことで頼めるかな?」
「うん、分かったよ。何かあったら念話で連絡するからよろしくね」
こうして、ユーノくんは上手に壁を駆け上がって月村家の裏庭へと姿を消した。
「さて、僕たちは、表門から行こうか」
恭也さんとなのはちゃんを促して僕たちは、表門についたインターフォンの前に立つ。僕と恭也さん、どちらがボタンを押すか話し合ったが、この場合は、飼い主である僕だろう、ということで僕がインターフォンを押した。
インターフォンに出たのは、いつものノエルさんではなく、すずかちゃん付きのメイドであるファリンさんだった。僕は、すずかちゃんにフェレットのユーノくんが逃げたので捜索する許可を貰いに着た旨を告げた。
『今、お嬢様に聞いてきますから、少々お待ちくださいね』
プツッとインターフォンが切れて、待たされること数分、門の向こう側に見える大きな西洋風の左右両方が開く扉の片方をあけて出てきたのは、ファリンさんだった。少し足早に門の前まで来ると、僕たちがいる反対側から小さな門を開けてくれた。
「ようこそいらっしゃいました、蔵元様、高町様、えっと……」
僕と恭也さんを見て頭を下げるファリンさん。最後に言い淀んだのはなのはちゃんだ。そういえば、なのはちゃんは、この家に来るのは初めてなんだ。ファリンさんが知らないのも無理はない。
「ああ、こっちは、俺の妹のなのはという」
「そうですか、私は月村家でメイドをやっておりますファリン・K・エーアリヒカイトと申します。ファリンとお呼びください」
頭を下げるファリンさんになのはちゃんは僕の後ろに隠れて、少しだけ顔を出しながらコクリと頷いた。
それでファリンさんは満足したのか、「こちらです」と告げて、僕たちを先導し始めた。僕たちはそれに続いて歩いていく。僕や恭也さんにしてみれば、いつものことなので特に興味を引かれるものはなかったが、なのはちゃんはこんな大きな家を見るのは初めてなのか、キョロキョロと辺りを見渡していた。その仕草に
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