無印編
第十五話
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まま対処するとは考えられないということらしい。
しかし、そうなると、結論を出すことはできない。ユーノくんはここに一人で来たと言っていたことを考えると、ユーノくんのお仲間ということも考えられないだろうし。
―――ここで考えても仕方ないよね。とりあえず、行ってみよう―――
仮説ならいくらでも立てられる。しかし、いつだって事実は一つなのだ。後、5分もすれば、目的地に着くのだからタクシーの中で考えても仕方ない。むしろ、ジュエルシードの暴走が止まって幸運だった、ぐらいには考えておこう。
タクシーは僕たちを乗せて目的へと走るのだった。
◇ ◇ ◇
「この辺りで間違いない?」
「うん、この向こう側だ。間違いないよ」
確認のためになのはちゃんに視線を向けてみるが、なのはちゃんもユーノくんと同じ意見なのだろう、コクリと頷いて肯定の意を示した。
タクシーで月村家の近くまで送ってもらった僕たちは、そこから歩いて月村家の門の前まで歩いていった。そこで改めてユーノくんに反応の有無を確認してもらったのだが、ジュエルシードの反応はやはりなし、ただ痕跡というか、発生したであろう場所は月村家の邸宅の奥に広がっている森で間違いないようだ。
「さて、どうしたものかな?」
その場で、僕らは頭を捻った。
幸いにして、この家は、僕にはすずかちゃん、恭也さんには忍さんという友人と呼べる知り合いがいる。つまり、中に入ることは簡単なのだ。問題は中に入った後だ。当然、訪問するからには理由がいるだろう。しかし、まさか、率直に「魔法の石がお宅の森で発動したので確認させてください」とはいえない。だが、誤魔化すにしても森の中に立ち入るだけの理由が必要だ。ある程度不自然ではなく、森の中を自由に捜索できるような理由。
「う〜ん」
なのはちゃんも、恭也さんも、ユーノくんも必死にどうやって森の捜索許可を貰うか考えてくれている。だが、妙案というものは得てして考えるものではなく、閃くものである。そして、今回ひらめいたのは、なのはちゃんだった。
「ね、ねえ、ショウくん」
「なに? 何かいい案がある?」
「う、うん、あのね、ユーノくんが逃げたことにするのはどうかな?」
僕と恭也さんの視線がユーノくんに集まる。突然、名前が出てきたことに驚き、僕たちの視線を受けて二度驚いているユーノくん。なるほど、僕はいつもユーノくんと喋っていたから、案として出てこなかったが、ユーノくんは傍目から見ればフェレットである。つまり、動物だ。動物は得てして気ままなもの。偶然、逃げ出して、すずかちゃんの家の庭に行ってしまっても仕方ないということか。
僕たちは、ユーノくんがコミュニケーションが取れる動物だ
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