無印編
第十五話
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地までは15分程度といったところだろうか。
早く、早くと心の中で急かすものの、僕が念じたところで車の法廷速度を変えられる変えられるわけでもないのだが、それでも念じてしまうのは人だからだろうか。だが、僕が一秒でも早く目的地に着くことを願っている最中、不意にユーノくんが驚いたように顔を上げた。
―――えっ!? ―――
声に出さなかったのはさすがだろう。ただ、念話で突然送られた驚きの声は、何が起きているか分からない僕でさえも驚いてしまいそうな声だった。念話が聞こえない恭也さんは何かあったのか、といわんばかりに首を捻っている。もっとも、原因は僕のも分からないのだが。だが、その答えは僕の隣に座っているなのはちゃんからもたらされた。
「……ジュエルシードの反応が消えた?」
「え?」
確かに言われて見ると、先ほど感じた違和感のようなものは感じなくなっている。しかしながら、消えたということはどういうことだろうか。
―――どういうこと? ―――
―――分からない。反応が消えるなんて、ジュエルシードが封印されたとしか考えられないけど―――
―――でも、なのはちゃんは隣にいるよ―――
おそらく、地球上で唯一ジュエルシードを封印できるはずのなのはちゃんは僕の隣に座って、なぜか酷く焦っているような表情をしていた。突然、ジュエルシードの反応が消えたのだ。焦るのも分かるような気がする。
―――そうだけど……。でも、反応が消えたってことは、それぐらいしか考えられないんだ―――
―――あるいは、ジュエルシードを封印できる誰かがそこにいたか、ってことかな? ―――
むろん、その場合は、誰が? という話になってくる。なのはちゃんはここにいる。そして、この街では、僕となのはちゃん以外は魔力を持っていないことを確認している。ならば、外から来たとしか考えられない。そこから導かれる解は一つだ。
―――時空管理局の人ってことは考えられない? ―――
ユーノくんの予想では、三週間後という予測だったが、もしかしたら、早く来ることができて、来た瞬間に偶然発動したジュエルシードを僕たちよりも早く封印したとは考えられないだろうか。今のところ、僕の中で一番しっくり来る説はそれなのだが。
だが、ユーノくんは首を左右に振って僕の考えを否定した。
―――それはないと思う。時空管理局の人なら、ジュエルシードに対して結界を張らないということはないから―――
ユーノくんの話によると地球は、第九十七管理外世界と呼ばれ、魔法文明がない管理外の世界らしい。そこで、魔法を表ざたにすることは通常禁止されている。つまり、時空管理局の名前を背負っている人が魔法を表ざたにする切欠になるようなジュエルシードをその
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